「3人の証言者」語る成功のカギ 日航機脱出の一部始終を徹底検証【サタデーステーション】(2024年1月6日)

「3人の証言者」語る成功のカギ 日航機脱出の一部始終を徹底検証【サタデーステーション】(2024年1月6日)

「3人の証言者」語る成功のカギ 日航機脱出の一部始終を徹底検証【サタデーステーション】(2024年1月6日)

日本航空516便。1月2日午後5時46分羽田空港着陸。

【衝突直後】
子ども「なに?この臭い…」
乗客「くさい」
乗客「大丈夫、大丈夫」
子ども「どこに火がついているの?」「怖いよ」
乗客「落ち着いて、落ち着いて」

動画を撮影した男性は、妻と娘の3人で左翼後ろの非常口付近に座っていました。

【衝突から1分経過】
客室乗務員「鼻と口を覆ってください」
乗客「タオルある。ちょっと待って」「これで鼻をふさいで。ママ、ハンカチ!」
客室乗務員「鼻と口を覆って姿勢を低くしてください」
乗客「早くきて、早くきて」
子ども「助けて」

【衝突から3分経過】
客室乗務員「鼻を口を覆って、姿勢を低くしてください」
乗客「大丈夫だよ」
子ども「開けてください」
乗客「大丈夫、落ち着いて」
子ども「早く出してください」

【衝突から4分経過】
子ども「開けて」
別の乗客「いったん頭下げましょう」
乗客「すみません」
別の乗客「煙が上にいくので、いったん頭下げましょう」
乗客「煙がすごい」
別の乗客「大丈夫、大丈夫!乗務員の言うとおりにしていれば大丈夫、大丈夫」

【衝突から5分経過】
客室乗務員「開けられるドア、教えてください」「開いていないです。R3開けません」「L3ダメです」「前 確認できないです」
動画を撮影した乗客「肺を突き刺すような強烈な煙で、あと数分でみんな死ぬんだろうなという感じでした」

【衝突から6分経過】
客室乗務員「前、前いってください、みなさん」
乗客「荷物を出すな」
客室乗務員「荷物を持たないで」
乗客「早く行け」「急いで」「一番前まで行って」
客室乗務員「こっちにきて」「荷物置いて」
乗客「怖いよ…げほげほ」

脱出までの一部始終を撮影した男性は、この動画が今後の事故対応に役立つのではという理由でカメラを回し続けたといいます。乗客乗員、全員の脱出が確認され、まさに“奇跡”の脱出劇でした。

私たちは、3人の乗客から詳細な証言を得ることができました。

それぞれが目撃した一部始終から脱出成功のカギが見えてきました。

1人目の証言者は、自身の左後ろにいた二人の客室乗務員の「あるやりとり」を目にしました。
証言者1「パッと左を見たら二人の客室乗務員がいて一人の客室乗務員が叫んでいて『エンジンが燃えています』と言ったら白い方(チーフ)が『燃えているエンジンは何番ですか?』と確認を二人でしていました。」

日本航空によると、白い制服を着ていたのはチーフで、自身でエンジンが燃えていることを確認すると機長に知らせるためにコックピットへ。通常、内側からしか開けられないドアは何らかの理由で奇跡的にカギが開いていたそうです。そのため、すぐに報告ができ、チーフは乗務員らに脱出指示を出せたと言います。最終的に脱出に使った非常口は8カ所のうち、3カ所のみでした。

2人目の証言者が目撃したのは、脱出口を見極める客室乗務員の緊迫したやりとり。

客室乗務員「開けれるドア教えてください」
客室乗務員「開いてないです。R3開けません。L3ダメです。前開いてますか?後ろ開けれますか?」

証言者2「右前にいるCAさんが後ろを振り返って絶えず連携を取っていたと思うんですよ。」

2人目の証言者の近くにいた客室乗務員は、乗客に落ち着くよう呼びかけをしながら、前方にいる別の客室乗務員と絶えず大声で連携を取っていたと言います。そして、脱出口へ誘導する時にはしゃがんでいる中でも手を大きく振り、乗客を前方へ促していたそうです。

証言者2「ここで(乗客が)騒いで迷惑をかけるわけにいかなという形でしたね。もう(客室乗務員が)一生懸命やっているのが伝わってきたので。」

3人目の証言者が見たものは、複数の動画に収められていた言動。

客室乗務員「荷物を取り出さないでください!」
客室乗務員「荷物は持たないで!!」

客室乗務員のこの言動は、素早い脱出のカギとなりました。男性によると、飛行機の停止直後、立ち上がって荷物を取り出そうとする乗客が何人かいたといいます。実際、男性が撮影した映像には、上部にある荷物置き場が複数開いていました。この時、客室乗務員は開いた荷物置き場の傍で大声を発していました。

客室乗務員「荷物を取り出さないで!」

男性は、「的確な指示に周囲の乗客が従っていて命の危険性をさほど感じなかった」と言います。

まさに”命を守る執念”。それは、機長の行動にも表れていました。煙が充満する中、機長は後方に向かい逃げ遅れた乗客がいないか1列1列確認したといいます。座席に何人か残っている人がいたため前方の脱出口に誘導。最終的に取り残されている人がいないことを全て確認してから自身は、後方から脱出したといいます。

脱出直後、機長と話をしたという女性は…

機長と話をした女性「家族が『どうしちゃったんですか?』と聞いたら、『急に横から小さな影が出てきた』って言っていた」

あのとき、機長は何を目にしたのでしょうか。

仁科健吾アナウンサー「エアバス機のフライトシュミレーターを使って、実際にコックピットからどのような景色が見えるのか体験してみます」

東京・羽田空港にある『LUXURY FLIGHT』でフライトシュミレーターを使い、夜間の羽田上空を再現してもらいました。

仁科健吾アナウンサー「滑走路付近は多くの光が点滅しています」

事故発生時に近い状況を再現するため、あえて滑走路に別の機体があると認識した上で着陸を試みます。

仁科健吾アナウンサー「滑走路の点滅なのか、航空機の点滅なのか分かりづらいですね。」

機体を認識できたのは、衝突する直前でした。

なぜ、海上保安庁の航空機が滑走路に入っていたのか。まだ調査中ですが、きょう新たにわかったことは、事故当時、管制官に注意を喚起するシステムは正常に作動していたということです。管制官は、滑走路に進入した海保の機体に気付かなかった可能性があります。国交省は緊急対策として1月6日から羽田空港で新たに常にシステムを監視する管制官を1人置くということです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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