中国全人代開幕「国内外リスク増加」国防費26兆円超
中国では国会に当たる全人代=全国人民代表大会がきょう始まりました。李克強首相は「国内外の情勢を踏まえるとリスクは増加している」と強調し、安定を最優先にした政策運営を行うとしました。
中国 李克強首相
「国内外の情勢を踏まえると、わが国が直面するリスクや課題は著しく増加している」
李首相は政府活動報告でこのように述べた上で、「課題と試練に向き合い、人民の期待に応えなければならない」と強調。経済面では需要の縮小など「三重苦」だとした上で、今年のGDP=国内総生産の成長率目標を去年より引き下げ、「5.5%前後とする」としました。
台湾問題については「新時代における党の台湾問題解決の基本方策を貫徹する」と述べ、「台湾独立勢力と外部勢力の干渉に断固反対する」として、アメリカなどをけん制しました。
国内では習近平国家主席が異例の3期目を目指す党大会を秋に控えるほか、ロシア軍によるウクライナ侵攻など不安定要因も増す中、「政府活動は安定を最優先させる」としました。
さらに、今年の国防予算について、去年と比べ7.1%増加のおよそ1兆4504億元、日本円で26兆円を超えることを明らかにしました。去年の伸び率を上回っていて軍備の増強を進めていることが伺えます。習近平指導部は「今世紀中ごろまでに世界一流の軍隊を目指す」としていて、李首相は「今年は、習近平強軍思想を深く貫徹し、国防動員体制の改革を完成させ全国民国防教育を強化する」と強調しました。
(05日15:51)
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