今週末3回目の停戦交渉か 市民避難のため南東部で一時停戦
緊張が高まるウクライナ情勢。ロシアとの3回目の停戦交渉が5日か6日に行われる可能性が出てくるなか、南東部の2か所の街で市民が避難するため一時停戦が発表されました。
「なんと恐ろしい」
窓の外に見える大きな光。ウクライナ北部チェルニヒウで撮影された映像です。
停戦交渉は3日も行われましたがロシアによる攻撃は5日も行われ、アメリカ国防総省は、ウクライナ周辺に集結したロシア軍の92%がすでにウクライナに入ったとしています。
こうしたなかロシア国防省はさきほど日本時間午後4時から南東部のマリウポリなど2か所で市民が避難するための人道回廊を設置すると発表。この周辺では市民が避難する間は停戦するとしています。
ウクライナへの軍事行動をめぐってはロシアで情報統制が強まっています。
プーチン大統領は4日、ロシア軍に関する虚偽の情報を意図的に広めた個人や団体に対し、最大で懲役15年を科すなどとする法案に署名。法律は成立しました。
事実上、ウクライナへの軍事行動をめぐり政権の公式見解に沿わない報道を禁止するもので、ロシアで活動する外国メディアも対象になるとされます。これを受け、イギリスの公共放送BBCやアメリカのブルームバーグ通信はロシアでの取材活動の一時停止を発表。
政権に批判的な報道で知られ、去年ノーベル平和賞に編集長が選ばれたロシアの独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」も。
「このテーマの記事を削除します」
プーチン大統領は4日、ドイツのショルツ首相と電話会談を実施。ロシアとウクライナの3回目の停戦交渉について「週末に予定している」と述べたということです。
こうしたなか、ロシアが制圧したザポロジエ原発の内部の映像が。
「穴が開いている」
これは、原発の運営会社が攻撃の被害として公開したもので通路の床には鉄の破片や砲弾のような物体も。
これまでのところ安全性に問題はなく、放射線量に異常はないということですが国際社会の批判は強まっています。
記者
「ロシアによるウクライナの原子力発電所が攻撃されたことを受け、国連安保理の緊急会合がまもなく始まります」
ウクライナ キスリツァ国連大使
「ロシアに攻撃されているのは、ウクライナだけではありません。人類、そして次世代の未来です」
ウクライナのキスリツァ国連大使はさらに「テロ・ロシア」という表現を交えて強く非難しました。
NATO=北大西洋条約機構の事務総長も緊急外相会合を前に「この戦争は無謀」だと強調。一方で会合では、ウクライナが求めていた自国内上空での飛行禁止空域の設定についてヨーロッパ全土で戦争が広がる可能性があるとして拒否。部隊も派遣しないことで合意しました。
アメリカは。
アメリカ ブリンケン国務長官
「我々は対話と外交の扉を今後も開いているが、ロシア政府が方針を変えない場合は孤立化と経済的な痛みがさらに増すことになる」
ブリンケン国務長官は制裁について「腐敗した指導者らによる危険な選択で数千万人のロシア人が苦しむことを残念に思う」と発言。
対話の道も残しつつ制裁強化の可能性も示唆しています。
(05日18:07)
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