モンスターペアレントに専用窓口 家の壁に穴→「学校の責任」苦情も… 奈良・天理市【グッド!モーニング】(2023年12月27日)
「モンスターペアレント」と呼ばれる過激な保護者からの理不尽な苦情が社会問題となっています。奈良県天理市は、学校とは別の専用窓口を設置する、新たな取り組みを始めます。
■教師の約8割…保護者への対応「負担」
ある学校で実際にあった出来事。宿題をしていなかった生徒に対し、先生が放課後、宿題をさせたといいます。その生徒は帰宅後、自宅の壁を蹴って穴を開けてしまいました。
これに対し、親は「学校によるストレスが原因だ」と先生を自宅に呼びつけたといいます。
奈良・天理市教育委員会 伊勢和彦教育長
「子どもが家に帰って、家を飛び出したり、家で暴れたり。それは学校でストレスだからということで、苦情を受け付けることはしばしばある」
いわゆる「モンスターペアレント」と呼ばれる過激な保護者からの理不尽な苦情や要求。奈良県天理市が実施したアンケートでは、小中学校の教師の8割近くが保護者への対応を負担と感じ、6割以上が「保護者対応で授業に支障が出た」と答えています。
こうしたクレームへの対応で教育現場が崩壊しつつあるとして、市は来年度から学校に対する苦情や意見を一手に引き受ける専用の窓口を開設することにしました。
伊勢教育長
「一部の保護者の言葉が、かなり教員の心を痛めつけている。これは学校だけで対応する問題ではない」
理不尽な要求は他にもあります。
■7月~9月までに教師5人退職 7人休職
ある生徒が同じ学校に通う別の生徒を路上でにらみつけました。にらまれた生徒からそのことを伝えられた保護者は、にらんだ生徒の担当教師に夜9時に電話で抗議しました。
教師は「申し訳ありません」と謝りますが、「何に対してやねん。そんなん言ってほしいんちゃうねん」と、保護者から深夜1時まで延々と怒鳴られたということです。
天理市では、保護者対応の負担などが原因で今年7月から9月までに教師5人が退職、7人が休職に追い込まれました。
こうした状態を打開するために開設される専用窓口。保護者たちはどう思っているのでしょうか?
■元教師「専門職の人が当たるべき」
保護者からの理不尽なクレームに対応するために、奈良県天理市で来年度に開設される専用窓口。市はすでに保護者の代表などと意見交換会を開いています。
伊勢教育長
「先生方の応援をしたいという意見が大半です。ただ一部の不安な意見で、『学校が親の声を聞けなくなったら、本当に大事な話を分かってもらえるか不安です』という声は正直あります。そこはしっかりと学校に伝えていく」
静岡県の中学校で10年以上教壇に立った、元教師のすぎやまさんは、この専用窓口の設置についてこう話します。
静岡の元教師 すぎやまさん
「私は非常に英断だと思います。もう全学校でそうなるべき。『とにかく話し合おう』しか武器がない。先生方がクレーム対応に時間を使って、うまく処理していくって基本的に無理なんです。専門職の人が当たるべきだと思う」
(「グッド!モーニング」2023年12月27日放送分より)
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