ダイハツ“認証不正”問題、乗って大丈夫? 30年以上もなぜ?【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG
ダイハツ工業が不正なデータを使って国の認証を取得していた問題。きょう、異例の態勢で国土交通省の立ち入り検査が入りました。
■試験で174の不正行為を確認
加藤シルビアキャスター:
不正が確認されたのは、64車種にのぼっています。
ダイハツといえば、軽自動車の新車販売で、17年連続でシェアNo.1を誇っている会社。
11月の新車販売台数では、2位にタント、5位にムーヴが、ランクインしています。
さらに、トヨタのパッソ、スバルのステラなどの供給もしています。
そのダイハツに今回、174の不正行為が確認されています。
例えば、不正加工・調整。
エアバッグの試験で、本来は、衝撃があった際に作動するはずのエアバッグが、タイマーで作動するようになっていた。
また、虚偽記載。
ヘッドレストの試験で、助手席側の試験結果を、運転者席側の結果であると記載していた。
その他にも、タイヤの空気圧や、衝突速度などに関して、虚偽記載があったということです。
■不正行為、34年前から確認されていた
こうした不正が行われてきた背景に、一体何があったのでしょうか?
第三者委員会によると、「短期開発が進められたことが、原因として関係しているのかなと思う」としています。
報告書では、過度にタイトで硬直的な開発スケジュールによる極度のプレッシャーがあった、と指摘されています。
また、現場任せで、管理職が関与しない体制があった、という指摘も。
社内アンケートの回答では…
「トヨタの期待に応えるために、リスクを考えずに進めたことが、大きな要因だ」
「“出来ない”が言えない雰囲気。担当者が解決するのが当たり前、という組織風土が根本的原因だ」
この不正行為、古くは34年前(1989年)から確認されているということです。
ダイハツ工業の奥平総一郎 社長は20日、「30年と言いますと、相当昔のことで、自分自身もわからない。ただ、内容については、できる限りの努力をして、調べていきたい」と話しています。
■“メーカー任せ” 国の関与にも問題
自動車評論家 桃田健史 氏:
前代未聞です。これだけの規模感で行われた認証不正は、日本史上、最大級だと思います。
ダイハツは、他社にもOEM供給していますし、インドネシアなど、特に東南アジアでの需要が非常に大きいですから、日本企業の信用問題にまで発展すると思います。
納期が短くて困っている、という話だが、どこのメーカーでも同じ。最近は、軽自動車でも、予防安全いわゆる自動ブレーキ、それからアクセルとブレーキの踏み間違い防止装置など、コストがかかるものを、短期間に低コストで作らなければいけないという話がたくさんある。
ただこれは、ホンダであれ、スズキであれ、軽自動車を作っているところは同じ条件。
ダイハツの社内の雰囲気は、かなり悪かったようだが、今回の件は、先日の日野自動車のケースと全く同じように見える。
日野自動車の事案をきっかけに、事前に、もっと早く改善する、ないしは、もっと早く情報開示がされてもよかった。
井上貴博キャスター:
他のメーカー各社はどうなのか。そして親会社であるトヨタの責任はどうなのか。トヨタグループは世界に冠たる、日本のものづくりを象徴する会社。これは、日本の自動車業界、ものづくり全体にも影響するのでは?
自動車評論家 桃田健史 氏:
そう簡単には回復できないと思います。一歩ずつやらなきゃいけない。日本自動車工業会全体として、トヨタが親会社だから、トヨタのグループ以外は関係ないということではない。基本的に、開発工程、製造工程というのは、自動車メーカーで大きく変わらないわけで、そこには潜在的なリスクがある。
一方で、国側の認証の問題もあります。これだけの抜け穴・抜け道があるということが、現状の認証の問題。先日の日野自動車でも、三菱の軽自動車の燃費不正問題でも、認証が甘いのではないかと指摘されている。国土交通省側の管理者、担当者の人数が多くないために、立会い検査が少なく、性善説で、メーカーからもらったデータを信用して、認証しているところがある。
認証する側も、認証を申請する側も、しっかりとしたデジタルデータで、不正が行われない状況を考える、認証を安全に進められる方法を考える、抜本的な変革を、メーカー側、業界側、国側、同時に行わなければいけない。
星浩 TBSスペシャルコメンテーター:
いまのところ、出荷停止ということだが、これから行政処分、認証の取り消し、要するに、生産できないということになるだろう。悪質であれば、刑事告発も視野に入ってくる。
ただ国側も、関与が弱すぎて、メーカー任せになってはいなかったか。その辺りの点検も必要だと思います。
井上キャスター:
30年以上前から続いていると言われているので、これは氷山の一角ではないかという疑念もあります。
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