【気象予報士解説】強烈寒波 毎年12月下旬に…なぜ? カギは「寒気や寒波の呼吸」【スーパーJチャンネル】(2023年12月21日)
毎年、クリスマス前後に強烈な寒波が襲ってくるイメージがありますが、なぜこのタイミングなのでしょうか。気象予報士の今村涼子さんに解説してもらいます。
■カギは「寒気・寒波の呼吸」 “冬将軍”に見立てて解説
この季節の大雪の原因は「寒気や寒波の呼吸」にあります。寒気や寒波のことを「冬将軍」と呼んだりします。ということで、冬将軍に擬人化して説明します。
この冬将軍のふるさとは北極付近です。まず、この北極付近で、冬将軍は冷たい空気をどんどん吸い込み、冷たい空気をためて寒気を作ります。この寒気をため込む時期を、気象的には「寒気の蓄積期」と言います。
これ、呼吸と同じですので吸った分を吐き出さなければいけません。そこでたまった寒気を吐き出していきます。その吐き出された寒気は南下して、シベリアそして中国・北京、さらには日本列島など中緯度までやってきます。これを気象的には「寒気の放出期」と言います。
このように蓄積期と放出期を繰り返しているので、まるで呼吸をしているような寒気の動きとなります。
■12月下旬に強烈寒波 なぜこのタイミング?
では、なぜこの時期に毎年、寒波の影響を受けるのでしょうか?
実は、シーズン初めに寒波の発生源である北極付近から大きく寒気が吐き出されるタイミングは、毎年ほぼブレがありません。
なぜかというと、北極は一番北なので南からの暖気などの影響を受けにくいんです。となると、北極付近では秋以降どんどん冷たい空気がたまり、だいぶたまったところで吐き出されます。その最初のタイミングが、日本では12月下旬ごろにあたることになります。
過去にもクリスマス寒波の年が多かったんですが、クリスマス寒波とか年末寒波とか言われるように、12月下旬はシーズン最初の寒波の影響に注意が必要な時期といえます。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2023年12月21日放送)
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