「手紙」「はがき」来秋予定の値上げ案を発表 深刻な郵便離れ…利用者減で膨らむ赤字【ワイド!スクランブル】(2023年12月19日)
18日、総務省は手紙やはがきの料金を値上げする案を発表した。値上げされれば、はがきは7年ぶり、手紙はおよそ30年ぶりとなる。
■来秋予定の値上げ案を発表
年の瀬が迫るなか、郵便局では年賀状の受け付けが始まっている。
街の人:「(Q.年賀状は出した?)今年も今までも、ずっと出していなくて。来たものにだけ返すスタイルです」
街の人:「書きます。だいぶ減ったけど190枚ぐらい頼んだ」
今の時代、年賀状に対する思いも人それぞれ。
そんななか総務省は、はがきと封書の郵便料金の値上げの方針を発表した。封書の値上げは、実に30年ぶりだ。
来年の秋を予定した値上げ案は現在、63円のはがきを85円、84円の封書(25グラム以下)を110円にするもので、封書の値上げは消費増税を除き1994年以来30年ぶりとなる。
年賀状を出した人:「63円が85円に上がるんですよね。絞ってやっていこうかなと」
■年賀はがき発行枚数 ピーク時の約3分の1
お年玉付きの年賀はがきが発売されたのは、終戦から4年後の1949年。師走の郵便局は大忙しだ。
1994年には小包の取扱量が減少したため、はがきの値上げに踏み切ったが、年賀はがきの発行枚数は伸び続ける。
2004年用は、およそ44億5000万枚となりピークを迎えた。
しかしその後、年賀はがきの発行枚数は減少傾向になっていく。
小泉純一郎総理大臣(当時):「誰も手を付けようとしなかったのが郵政民営化であります」
2007年に民営化されたが赤字が膨らみ、2017年には再びはがきの値上げに踏み切った。
そしてメールやSNSの普及により、年賀はがきの発行枚数は年々減少。来年用は14億4000万枚となっている。
利用者は、今回発表された値上げをどう感じているのだろうか。
利用者:「経営上しょうがないけど、上がらない方がいい」「(利用する)枚数が少ないので、そこまで支障はないです」
■利用者減で膨らむ赤字
値上げの背景にあるのは、深刻な郵便離れだ。
郵便物の推移を見てみると、2001年度の262億通をピークに年々減少が続いていて、昨年度は144億通と、およそ20年でほぼ半減している。
こうしたことから日本郵便の郵便事業は昨年度211億円の赤字となった。これは郵政民営化以降、初めてのことだ。
また、総務省の試算では、このまま値上げをしなかった場合、2028年度には赤字が3439億円にまで膨れ上がるとみられている。
郵便離れの背景にあるのは、「インターネットやSNSの普及」「各種請求書などのWeb化」「各企業が通信費や販売促進費削減の動きを進めている」などが挙げられている。
■郵便離れは海外でも…
こうした郵便離れは、実は日本に限った話ではない。
ジェトロによると、アメリカ郵政公社では2000年代に入ってから赤字経営が続いていて、2021年はおよそ9800億円の赤字となったという。
そのため、ロイター通信によると去年、郵政公社改革法案が可決され、今後10年でおよそ7兆円の金融支援が行われるということだ。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年12月19日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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