福島原発 集団賠償訴訟 最高裁が東電の上告退ける 約3700人に総額14億円の賠償支払いへ
東京電力福島第一原発事故をめぐり住民や避難者らが賠償を求める集団訴訟で、最高裁は東京電力に賠償を命じた3つの高裁判決についていずれも東電の上告を退けました。およそ3700人に対し総額14億円の賠償が支払われることになります。
この裁判は、福島県と近隣県の住民や県外への避難者が、事故で生活基盤を損なわれ精神的な苦痛を受けたなどとして、東京電力と国に賠償を求めて各地の裁判所で訴えているものです。
このうち先行して福島、前橋、千葉の3つの地裁で起こされた訴訟では、おととし9月から去年2月にかけ、東京電力に賠償を命じる高裁判決が相次いで出されていました。
最高裁はこの3つの高裁判決について、きょうまでに東電の上告を退けました。東京電力はこれまで国の基準に基づいて賠償をすすめていましたが、原告あわせておよそ3700人に対し国の基準を上回る賠償が確定し、総額およそ14億円が支払われることになります。
一方、3つの集団訴訟では国にも原発事故の賠償責任があるかが争われていますが、福島と千葉の訴訟では高裁が国の責任を認めたものの前橋の訴訟では認めないなど、高裁ごと判断がわかれています。
最高裁は国などの上告を受け4月に弁論を開くことにしていて、今年の夏にも統一見解を示すものとみられます。
同じような集団訴訟は各地の裁判所で起きていますが、国の責任については判断が分かれていて最高裁の判断が注目されます。
(04日14:23)
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