【報ステ解説】「総理にとって大勝負」“内閣刷新”安倍派一掃へ 人事は?(2023年12月11日)

【報ステ解説】「総理にとって大勝負」“内閣刷新”安倍派一掃へ 人事は?(2023年12月11日)

【報ステ解説】「総理にとって大勝負」“内閣刷新”安倍派一掃へ 人事は?(2023年12月11日)

自民党安倍派の裏金疑惑を受け、岸田総理は安倍派を政権から一掃する考えです。強い口調で、その“対応”を訴えました。

岸田総理:「国民の信頼回復のために、国政の遅滞を生じさせないために、適切なタイミングで、適切に対応を考えていきたい」

内閣の要・松野官房長官や、西村経済産業大臣に加え、疑惑を否定してきた鈴木総務大臣、宮下農林水産大臣も含まれます。安倍派に属する副大臣や政務官も合わせると、総勢15人に上ります。

疑惑の当事者かどうかにかかわらず、全員を更迭する理由について、こう話したといいます。
岸田総理:「しっかり調査してもらうために、辞職してもらう」

この1週間、総理は、派閥のパーティーをめぐる“裏金”疑惑に「対応」を連発してきてはいました。先週は、派閥パーティーの自粛を指示。その翌日には、自ら率いる岸田派から在任中は離脱すると表明しました。一斉更迭は、いわばその第3弾となるわけですが、厳しい声が上がります。
共産党・小池晃書記局長:「安倍派だけを切り捨てれば、それで解決するという問題ではないし、真相を解明せずに辞めればいいと、一掃すればいいという話ではない。今年の漢字は『金(カネ)』。本当にみんな苦しい生活をしている裏で“裏金づくり”を、せっせとやってた」

自民党内からも。
自民党閣僚経験者:「キックバックを受けていない若手も含めて、ただただ『安倍派は全員交代だ』と言ったら、それはただの見せしめじゃないか。大きな反発が起きるのは間違いない」

疑惑の渦中にあるのは、いま要職に就いている人だけではありません。
橋本聖子元大臣。関係者によりますと、5年間で1000万円以上の不記載があるとみられています。さらに、谷川弥一衆院議員、大野泰正参院議員、池田佳隆衆院議員にも、多額の疑惑が浮上しています。

関係者によりますと、谷川議員には、約4000万円の不記載があるとみられています。
谷川弥一衆院議員:「清和政策研究会のパーティー券の問題について、刑事告発を受けている案件でもあり、事実関係を慎重に調査・確認して適切に対応したい。(Q.キックバックがあった)今、コメントしたたけです。僕が今、言えることは。(Q。販売ノルマはどのくらい)今、言った通りと言ってるでしょう。(Q.会派の中で、そういうことが)いいから、その通りって。何を言っても、その通りと言っている。頭悪いね、言ってるじゃないの。質問しても、これ以上、きょうは言わないと言っている」

疑惑の額が、約5000万円と最も多い大野議員。
大野泰正 参院議員:「(Q.疑惑が広がっているが)今、本当に一生懸命、書類も膨大なもので、大変、申し訳ありませんが、しっかりと精査させていただいて、本当に然るべき時期がきたら、説明責任を果たさせていただきたい。(Q.しかるべきタイミングとは)それは申し訳ありませんが、今、『じゃあ、いつです』とは、私もわかりません。(Q.現時点で裏金を受け取ったという認識は)それも、今、精査している。(Q.精査する前に受け取った認識は)それも、ありません。(Q.裏金を受け取ったという認識はない)だから、今、本当に大変、恐縮ですが、一つ一つ、丁寧にすべてやっているので。(Q.認識がなかったから精査を)そういうことも含めて、全部精査している」

岸田総理は11日も、麻生氏、茂木氏と、3者会談を行いました。人事を含めた協議をしたとみられます。

安倍派“一掃”の動きに対して、幹部の1人は、自ら辞任する可能性を、チラつかせました。
萩生田光一 政調会長:「今回のことが原因で、閣僚や、あるいは副大臣等がお辞めにならなければならない事態となるとすれば、私は政調会長の責任も同等に、またそれ以上に大きなものがあると思っております。人事は、総理の専権事項でありますけれども、出処進退については、自分で決めたいと思っています」

一方、11日夕方、立憲民主党から不信任決議案が出された松野官房長官は、こう述べました。
松野博一官房長官:「国会でお決めをいただくものであると考えていますが、私としては、与えられた職責を果たしてまいりたいと考えております」

◆政治部・官邸キャップの千々岩森生記者に聞きます。

(Q.安倍派に所属する政務三役15人を一気に更迭させる方針という前代未聞の事態ですか、岸田総理の腹の内は、どうなのでしょうか)
“安倍派一掃”の報道が出て、自民党内でも驚きが広がりました。ただ、岸田総理、安倍派の政務三役の15人、全員を交代させる腹を決めたようです。“裏金疑惑”が直接出ていない議員も含めて、「十把一絡げ」に更迭することに批判もありますが、中途半端にやれば、また後から後から問題が発覚するかもしれませんので、岸田総理としては、とにかく、今、決断するしかない、ということだと思います。11日朝の岸田総理のぶら下がりですが、表情が意外とすっきりしていて、ちょっと吹っ切れたような印象も受けました。これまで各派閥に気を遣って、バランス重視と言われていただけに、今回、まさに“大勝負”ということになると思います。

(Q.安倍派からの反発も予想されるが)
すでに出ています。安倍派からの反発は、織り込み済みだと思います。週末は、麻生副総裁や茂木幹事長と会談して、根回しもしてきました。ただ、安倍派は党内最大派閥で、反発が強まれば“岸田おろし”につながる可能性もあります。一寸先は闇といいますが、正に自分が決めた方針を本当に実行できるかが、政権の命運を握っていると思います。
  
(Q.仮に実行できたとして、適材適所に人材を埋めることはできるでしょうか)
100人を擁する安倍派、以外からの人選ですので、人事はおそらく木曜か金曜になりそうですが、相当苦しい作業になると思います。
国会も残り2日となって、野党の攻勢も強まります。今週は、毎日がヤマ場と言っていいと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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