原子力事故で役場に恨み?暴走突入男「体調不良になった」…24年前に東海村で臨界事故【もっと知りたい!】(2023年12月8日)
茨城県の市役所と村役場に男が車で突っ込んだ事件です。動機は、およそ670人が被曝した24年前の原子力事故でした。
■容疑者「JCOの事故により体調不良になった」
これは益子泰容疑者(53)が乗っていたとみられる車をとらえた映像です。
ヘッドライトは大破し、煙を上げて走る異様な黒い車。後方に何かを引きずっています。
この映像が撮られたのは、日立市役所から1キロほどの場所です。益子容疑者は、自宅に向かっていたとみられます。
その数分後、容疑者の住む団地で撮られた映像です。
近隣住民:「規制線や」「どうしよう」
黒い車がシルバーの車にぶつかっていて、周囲にはパトカーや救急車も止まっています。その時の様子を目撃した人がいました。
目撃した人:「救急車が来て、乗せる前に(救急隊員が)『お母さん名前は?』『益子です』って。『息子が逃げた』と車でしゃべっていた」
白い乗用車に乗り換えた益子容疑者はその後、6キロほど離れた東海村役場に突っ込みました。
益子容疑者:「JCOの事故により体調不良になった」「役場を何度か訪れたが、話を聞いてもらえず、恨みを持っていた」
■24年前に東海村で臨界事故「内臓にきた」
1999年、東海村では核燃料加工会社「JCO」で、国内初の臨界事故が起きました。2人が死亡、住民や救助に当たった消防隊員ら667人が被曝しました。
損害賠償(営業損害含む)の交渉は、JCOでは困難だとして、県や村が窓口になっていました。
捜査関係者によると、益子容疑者は過去に何度か東海村役場に行っていたといいます。東海村の村長が取材に応じました。
東海村 山田修村長:「(Q.恨みについて把握しているトラブルは?)それもちょっと分からない。ただ、私は職員に対してはできるだけ相手の立場に立って、話を聞くように言ってます」
益子容疑者を知る自宅周辺の住民は、こう話します。
近隣住民:「1回爆発みたいなものがあった(※実際には臨界事故)。その時に吸ってしまい、内臓にきたと」「原子力の仕事やっているようなこと言っていた。ここに来る前。足をこう引きずるんだよな。労災みたいなのに、行政に世話になっていると聞いた」
益子容疑者が10年ほど前、働いていた運転代行業者もこう話します。
益子容疑者が働いていた運転代行業者:「(Q.どれくらい働いていた?)2~3カ月くらい。お客さんの車をぶつけたりとかがあったので。運転にあまり適さないと見えてしまったので。それに納得しなかったみたいで、トラブルになった。乗り降りが、足が悪いので、曲がらないと言ったのかな」
■容疑者に“健康被害”あったか…分からず
臨界事故が起きた当時、益子容疑者はJCOから500メートル以内の場所に住んでいました。
JCOは、1999年の事故直後から益子容疑者とみられる人物から損害賠償の訴えがあり、2016年から2017年には複数回、健康被害に関する申し入れの電話があったことを明らかにしました。
益子容疑者が住む日立市の団地にも、原子力関連の会社で働いていたという人がいました。
益子容疑者と同じ団地の住民:「俺も原発で働いていたから。こういう人がいるよというのは、聞いたことがある。(益子容疑者と)僕は話はしてない。ただ歩いている姿は、ちょこちょこ見るけどね。普段はおとなしい人だから」
近隣住民:「(Q.当時の事故を経て敏感な地域?)そうですね。原発が近い部分もあるので。少なからず、心配なところもありますので。いろんな思いをしている方がいるのかなと思いました」
JCOの臨界事故により益子容疑者に健康被害があったかは分かっていません。
(「グッド!モーニング」2023年12月8日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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