「この先どうなる」孤独を感じる子へ 医療分野でもメタバースを活用【現場から、】

「この先どうなる」孤独を感じる子へ 医療分野でもメタバースを活用【現場から、】

「この先どうなる」孤独を感じる子へ 医療分野でもメタバースを活用【現場から、】

シリーズ「現場から、」です。入院し、孤独を感じている子どもなどのがん患者らを最新技術で支えようと、岡山大学が患者用のメタバース=仮想空間を開発しました。

色鮮やかな植物が生い茂る空間。外に出ると、真夏の日差しが照りつける砂浜に海。インターネットの世界に作られた仮想空間=メタバースです。

「そのまま手を口に持ってくれば、イカが食べられる」

主にゲーム分野での普及が進むメタバース=仮装空間。ただ、岡山大学の長谷井嬢准教授が考案したメタバースは、「医療分野での活用」を目指したものです。

岡山大学 学術研究院医歯薬学域 長谷井 嬢 准教授
「長期で入院している子たちを対象にしていて、『病院を忘れられるような空間』をコンセプトにデザインをしています」

長期の闘病を余儀なくされる希少がん患者や、元がん患者向けのメタバースを今年6月に開発しました。全国各地の病院にいる当事者同士をつなげようという、日本初の試みです。

今年10月、大学を訪れたのは、中学3年生の時に希少がんのひとつ「悪性骨肉腫」と診断された、長谷井准教授の元担当患者です。

元希少がん患者 田邉凌さん(22)
「メタバースを使って交流会を開こうというのは初めて聞きました。医者ってこんなこともするんだって、びっくり」

小さな子どもや若者らを中心に発症する「希少がん」は、がん患者全体の15%程度。年間およそ10万人が診断される病気です。およそ200種類が分類される「まれ」な悪性腫瘍であるため、同じ世代・同じ症例の患者が病院にいることはほとんどありません。

ゆえに、多くの患者が病室で「孤独」を感じるといいます。

元希少がん患者 田邉凌さん(22)
「(病室で)ひとりになったときに、『この先どうなるんだろう』っていう不安はあった。同年代の人が少なかったので、当時思春期だったんですけど、同じくらいの年齢の人にしか言えないようなことは誰にも相談できなかった」

治療に対する不安や孤立感を少しでも和らげたい…。それが、多くの希少がんの患者と接してきた長谷井准教授がこのメタバースを開発したきっかけでした。

いまでは東京や大阪でも試験導入されています。

坂井亮太キャスター
Q.実際に入ってみてどうですか

元希少がん患者 田邉凌さん(22)
「画期的だなと思いました。やはり治療中は髪の毛が抜けたり、顔がむくんだりとか。アバターを使うことによって、自分の外見とかを気にすることもなく、ほかの人とコミュニケーションが取れるので、気軽に参加できるのがいいなと思いました」

岡山大学 学術研究院医歯薬学域 長谷井 嬢 准教授
「世代ですよね。今の子たちはゲームの中で会って、コミュニケーションを取ったりという文化がかなり日常的にどこでも見られる。こういうメタバースでほかの子と話すということのハードルが、大人が考える以上に子どもたちは低い。将来的に全国的に広がっていけばいいなと」

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