9代目当主が語る2023年の異変 「伝説のマタギ一族」に密着取材(2023年11月27日)

9代目当主が語る2023年の異変 「伝説のマタギ一族」に密着取材(2023年11月27日)

9代目当主が語る2023年の異変 「伝説のマタギ一族」に密着取材(2023年11月27日)

 27日も富山で精米機が壊されるなど相次ぐクマの被害。人間はどのようにクマと向き合っていけばいいのでしょうか。番組では、江戸時代から続く「伝説のマタギ一族」を密着取材。9代目当主が口にした“違和感”とは。

■相次ぐクマ被害 「米ぬか」食べる

 かきむしられた扉。至る所にクマの爪痕があります。27日午前8時40分ごろ、富山市で「精米機の扉が壊されている」と住民から市に連絡がありました。クマが狙ったのは米を精米する際に出る米ぬかです。

 猟友会:「(クマが)中に入って米ぬかを食べた。(扉を)爪でやぶった」

 米を巡る食害は各地で起きています。

 あぜ道に腰を下ろし、稲穂を頬張るクマ。よく見ると、顔にはもみ殻のようなものが。先月撮影された、田んぼで稲穂を食べる様子です。

 岩手県一関市では、倉庫などに保管された米が相次いで狙われました。

■住民不安 被害“過去最悪”の秋田

 雪深い山あいの町、北秋田市阿仁地区。住民はクマ被害に頭を抱えていました。

 住民:「びっくりするよ。(クマが)鼻でシャッター開けて出てきた」

 大雪となったこの週末、男性の車庫から突如として現れたクマ。なんと、鼻でシャッターを押し上げたといいます。

 住民:「まさか車庫の中から出てくるとは…」

 相談に乗るこの男性、ただ者ではありません。家にお邪魔すると、ひときわ存在感を放つクマの毛皮。数年前、男性が仕留めたといいます。

■「伝説のマタギ一族」9代目語る“異変”

 鈴木英雄さん(75)。クマの狩猟を生業とするマタギです。

 マタギ家系9代目 鈴木英雄さん:「中学生の時からずっとこの山奥を歩かされていた」

 父親も、祖父も。鈴木さんは江戸時代から続くマタギの家系に生まれた9代目です。

 マタギ発祥の地と言われる阿仁地区。

 マタギ家系9代目 鈴木英雄さん:「(Q.持っていくものは何ですか?)銃と弾です」

 マタギの活動は雪が降った後が重要だといいます。

 マタギ家系9代目 鈴木英雄さん:「イノシシだな」

 雪に残る、野生動物の足跡。そこからクマの行動範囲を特定していきます。感じたのは、山の異変です。山の神に猟の安全を祈る神社。

 マタギ家系9代目 鈴木英雄さん:「(Q.ガリッといかれていますね?)だいぶいってますね」

 クマは人里近い神社にまで下りてきて、痕跡を残していたのです。クマのすみかの山で、一体何が起きているのでしょうか。

 マタギ家系9代目 鈴木英雄さん:「今年は例外。あまりにも山のものがならない」

 クマの餌(えさ)となる木の実などが、軒並み凶作。そのため、町に下りてきているのだといいます。

■警戒!住宅裏に無数の“クマ棚”

 クマが餌を食べる際、木の上にできる「クマ棚」。マタギ一族の家の近くにまで及んでいました。

 マタギ家系9代目 鈴木英雄さん:「(Q.巣みたいに?)(クマ)棚」

 クマ棚とは、クマが木に折った枝を積み重ねて作った、いわば食卓です。ここで栗の実を食べているそうです。そのクマ棚が、周囲の木にいくつも。マタギが警戒したのは木の下に散乱した枝。

 マタギ家系9代目 鈴木英雄さん:「子グマがいると下に枝を落として餌をやる」

 これはここで鈴木さんが撮影した写真。クマ棚の数から察すると、親子グマは複数現れたとみられます。

 町を守るマタギ一族。目的は狩猟だけではありません。駆除したクマの内臓から作るのが、薬です。クマの肉も残さず食べるのが習わしだといいます。

 マタギ家系9代目 鈴木英雄さん:「クマは山の神の授かりもの、神聖なものとしています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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