国家の“機密”とは…使途が明らかにならない官房機密費 【風をよむ】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

国家の“機密”とは…使途が明らかにならない官房機密費 【風をよむ】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

国家の“機密”とは…使途が明らかにならない官房機密費 【風をよむ】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

先日、問題となったのが、石川県・馳浩知事による、オリンピック招致でIOC(国際オリンピック委員会)委員に高額の贈り物をしたとの発言。そのお金の出所とされたのが、『官房機密費』でした。

■馳浩知事の発言

11月17日、全国の自治体関係者ら、約90人が参加した都内でのフォーラム。石川県の馳浩知事の発言に、大きな波紋が広がりました…

石川県 馳浩知事(11月17日):
「その当時、総理だった安倍晋三さんからですね、国会を代表してオリンピック招致には必ず勝ち取れと。ここから、今からしゃべること、メモ取らないでくださいね…」

そう念押しした上で、馳知事は…

石川県 馳浩知事(11月17日):
「『馳、金はいくらでも出す。官房機密費もあるから』。それでね、IOC委員のアルバム作ったんですよ。そのお土産の額を、今から言いますよ。外に言っちゃダメですよ。官房機密費使ってるから。1冊20万円するんですよ」

東京オリンピック・パラリンピックの招致活動に際し、投票権を持つIOC委員に、贈答品としてアルバムを渡したと発言。
 
もし事実なら、IOC関係者への贈与を禁止した倫理規程に触れる可能性がありますが、翌日(18日)、馳知事は…。

■発言を撤回した馳知事

石川県 馳浩知事(11月18日):
「事実誤認のことを、私自身も確認をしたうえで発言は全面撤回をいたしました」「改めて全面的に撤回した」

会見中、「全面撤回」と15回繰り返した馳知事。一方で、資金の出所とされる、“官房機密費”に、注目が寄せられたのです。

■官房機密費とは

“官房機密費”とは、正式には「内閣官房報償費」といい、国が使途を明らかにせず、多くは領収書なしで使えるお金のこととされます。

その額は、政府によれば、7年8か月の第2次安倍政権で約95億円、菅政権では1年で約13億円。こうしたお金がなぜ使われるようになったのか、毎日新聞の与良さんは…

与良正男・毎日新聞客員編集委員:
「(官房機密費は)外国の情報も含めて、情報の提供者なり、行政に協力してくれた人にお礼をするのが本来の意味。そのお金が、使い道について全く公表されないから一種の裏金のような扱いになってしまっている。かつては選挙費用の軍資金として使われてきたのではないか、という指摘もあった」

秘密のベールに包まれた官房機密費。しかし、以前からこのお金の使い道を巡っては、繰り返し物議を醸してきました。

■官房機密費 過去には…

共産党は、1991年から92年の宮沢内閣当時の官房機密費の使い道をまとめたとされる資料を入手し、2002年に公表。

共産党・志位和夫 委員長(2002年4月):
「全体通じて、国家の機密にあたる支出という項目は一つもない」

そこには、国会対策費として野党側にスーツを贈ったり、政治家のパーティーや結婚式への参加費まで。これに対し、政府は…

福田赳夫官 房長官(当時・2002年4月):
「誰が資料を作ったか、真偽はどうなのか、どこからお金が出ているのか、そういうことが一切分からない。お答えしようがない」

また、2001年には、外務省の元室長が、官房機密費、5億円あまりをだまし取った詐欺の罪に問われました。元室長は機密費を、競走馬や、高級マンションの購入に充てていたとされ、政府も謝罪。

河野洋平 外務大臣(当時・2001年):
「これを未然に防げなかったことは、組織としてのチェック体制に不備があった」

■使途は明らかにされず

それでも官房機密費の詳細な実態は明かされないまま。2018年、最高裁の判断も、使い道を特定できるような情報は開示すべきではないとしており、その後も政府は…

加藤勝信 官房長官(当時・2021年1月):
「その内容について説明することは差し控えさせて頂きたい」

国家の「機密」に関わることには、あくまで公開に慎重な姿勢を崩さない日本。

■ケネディ元大統領暗殺の機密文書

アメリカでは、国家機密に関する文書について、原則公開が定められています。例えば…

街の人(アメリカ・テキサス州 2017年10月):
「文書公開は、ちまたに流れる陰謀論を払拭してくれるのではないか」

2017年、ケネディ元大統領暗殺事件を巡り、それまで非公開とされてきた機密文書が公開されるとあって、全米で大きな話題に。

全面公開こそ見送られたものの2023年6月時点ですでに99%が公になっています。

■機密の解除

アメリカでは、国家機密に関して解除期間が定められており、最短で10年未満、より機密性が高くても、25年が経過したら原則公開。文書もメールを含め保存が求められ、公開が前提です。
 
こうしたアメリカの情報公開の姿勢について、与良さんは…

与良正男・毎日新聞客員編集委員: 
「アメリカは、国民の知る権利というものが非常に確立されている。知る権利に応えるために情報公開が必要なんだと。かたや日本はものすごく希薄。やっぱり公文書としてきちんと残す。残していずれ公開する。これは機密費に限らず、情報公開のすべてのルールだと思う」

機密…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20231126-6123708)

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