冬の味覚・みかんが水不足で小さく甘く・ダム貯水率0%・アユ漁ピンチも…深刻渇水(2023年11月21日)

冬の味覚・みかんが水不足で小さく甘く・ダム貯水率0%・アユ漁ピンチも…深刻渇水(2023年11月21日)

冬の味覚・みかんが水不足で小さく甘く・ダム貯水率0%・アユ漁ピンチも…深刻渇水(2023年11月21日)

記録的な雨の少なさは、これからの季節にかかせない冬の味覚にも影響を与えています。

今年の“愛媛みかん”の特徴です。
香川・愛媛せとうち旬彩館の齋藤誠店長「例年に比べて雨が少なかったせいで、味がギューッと濃いみかんができあがっています」

美味しくても、複雑な想いを抱える人もいます。

糖度が高く美味しいとはいっても問題は“重さ”。小さいと出荷額が安くなってしまうのです。
コウ果樹園・二宮江さん:「感覚的には一回りから二回り、1本収穫して(平年)100キロが(今年)70~80キロ。小さくても大きくても、作業する人件費は同じ。売り上げが下がるのは否めない。(Q.売り上げは何割減)2割りぐらいで終わったらいい」

大きく育てようとしましたができませんでした。原因は、いまも続く水不足です。
コウ果樹園・二宮江さん:「降雨量がとても少なくて、木の力が弱ってしまっている状態。木の力が足りなかったところで、結果的に小さい実で収穫を迎えた」

問題はそれだけではありません。十分な水が与えられず、ヨレヨレになった葉っぱ。
コウ果樹園・二宮江さん::「今から水をやって肥料をやっても、なかなか元に戻らないんです、一回弱ってしまった木は。芽吹かないと花が付かない。花が付かないと実がない。今年、お金にならなかっただけでなく、来年も実がならない心配もあります」

愛媛県大洲市の降水量。今年は9月と10月の降水量が観測史上最少となり、極端に雨が少ない状態が続いています。

現在の鹿野川ダムの貯水率は0%。この状態が今月1日から続いています。このダムは洪水を防ぎ、渇水の際に下流に流れる水の量を確保するのが仕事ですが、もう役目を果たすことができません。
肱川ダム統合管理事務所鹿野川ダム管理支所・山崎隆幸支所長「(Q.貯水率0%の影響は)河川環境の生物や、河口域の塩水化が懸念される」

その心配は、現実になりつつあるようです。
この時期の風物詩といえば、アユ漁ですが、水不足のためアユが川を下ってこないといいます。
アユ漁師:「水が汚かったり、少ないと良いコケができない。渇水のために餌も食べていない。大きさも大きくなっていない」

水不足は愛媛だけではありません。西日本各地のダムを見てみると、貯水率が40%以下のところも多く、すでに取水制限が行われているところもあります。

今年は“秋らしさ”を感じることがあまりありませんでした。台風が極端に少なく、秋雨前線による雨も西日本ではほとんど降っていません。ただ、この冬は雨の傾向に変化が出そうです。

気象庁は21日、来年2月までの降水量の予想を発表しました。
 
この冬、関東から西日本は、低気圧の影響で降水量が平年並みか、多い予想となっています。雨が少なく、すでに影響が出ている愛媛県など四国でも雨が多くなりそうです。また、太平洋側の降水量には、雪も含まれていて、今後は雪の情報にも注意が必要です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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