“かつてのプーチンと違う”と政権幹部…“プーチンリスク”を回避するため、日本は情報戦で優位に立て
緊迫化するウクライナ情勢。ウクライナの首都キエフではテレビ塔がロシア軍に爆破され多数の死傷者が出るなど戦闘は激化しています。2日にも2回目の停戦交渉が行われる見通しですが予断を許さない状況です。TBS報道局の後藤俊広政治部長が解説します。(聞き手:皆川玲奈キャスター)
――1回目の停戦協議も合意に至らず死傷者がどんどん増え続けています。
キエフ襲撃は衝撃でした…そもそも侵攻からまもなく1週間経とうとしていますが、きょうは日本政府の情報収集=情報戦についてどう見ているかについて話をしたいと思います。日本政府のこれまでの動きを分析すると情報収集の面で“後手後手”とまでは言えないにしても“先手先手”の印象は正直受けません。例えばロシア軍の軍事行動について日本政府は当初キエフにミサイルが降ってくると言うような想定は無かったのだと思います。おそらく親ロシア勢力が集中している東部地域の住民保護を名目に軍事侵攻してくるのではないかが大方の見方。先週木曜日に軍事行動が始まったという時には“プーチン大統領どうしたんだ”と言う声が日本政府から幾つも上がりました。
――そういった情報は全く入ってこなかった?予想外だったと言うことですか?
もちろんいろいろな可能性は検討していたと思いますが、キエフの侵攻、ウクライナ全体の侵攻を進めるというのはリアリティが無かったのではないかと。
――ロシア側もプーチン大統領が「核」という言葉を使って牽制しているようですが。これは本当なのか?それとも脅しなのか?どう捉えたら良いのでしょうか。
国際政治の場では核というものを一つの抑止力のカードにすることはよくあります。1900年代にはキューバ危機がありました。アメリカ・ソ連の両首脳は“核戦争するぞ”というある種のブラフを使って交渉したことは過去にあります。今回一番わからないのは、“プーチンリスク”と命名したもの。プーチン大統領の考えていること、行動の予測が不可能である点。そこが各国首脳の頭を悩ませている要因ではないかと感じています。実際にプーチン大統領とこれまで交渉したことのある政権幹部は「かつてのプーチン大統領とは全く違う」というふうなことを言っている。どう違うかというと、元々のプーチン大統領は理性的というか「合理的にモノを考えている人だった」と。それがかつてのプーチン大統領だったということで言えば、いまのプーチン大統領は合理的に物事を考えられない状態にあるんじゃないか。そう言った見立てもできます。
――人が変わってしまった?
ロシアはトップの健康状態やどういう行動を行っているのかは秘密のベールに包まれているので、こうだということは申し上げづらいのですが、プーチン大統領ももうじき70歳で年も取ってきている。ロシアの国のシステムの特徴ですが、権力がプーチン大統領に集中する議会などのチェックアンドバランスも必ずしも日本のようにはいかない。プーチン大統領が判断を誤ってしまう。あるいは正常な判断を下すことが困難な状態になった時には危機が深まる。それがいまの深刻な事態だと思います。
(02日17:34)
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