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猛暑でエサなく冬眠せず? クマ凶暴化で危険度増加 100針の大けがやハンターの苦悩も【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年11月16日)
全国的にクマの出没が相次いでいる。今年は冬眠しないクマも出るのではないかという指摘もある。そうしたなか、クマに襲われ100針を縫う大けがを負った男性が、その恐怖の瞬間を語った。
■木に登り柿をむしゃむしゃ…全国でクマ相次ぐ
木を見上げて幹にしがみ付くクマ。次の瞬間、後ろ脚を起用に使い木に登っていく。
降りてくると何かをくわえている。むしゃむしゃと、むさぼっているのは柿だ。
住民:「きのうの段階で(柿は)20個近く残っていたが、一晩で(全部食べられた)。機械なんかも皆倒されて一輪車とか。食べた跡もいっぱい残っています」
さらに、車庫に吊るしていた干し柿100個も食い荒らされ、軽トラックのミラーも破壊されてしまった。
クマの出没は、福島県でも…。15日午前6時ごろ、警察に「住宅の敷地で3頭のクマを目撃した」との通報があった。
通報した住民:「犬が異様な鳴き方をしていたんです。犬もほえるしクマもほえるし、初めて見ました。恐怖でした」
クマは親子とみられ、2頭は逃げたが1頭が木に登り、降りられなくなった。およそ6時間にわたり、木にとどまっていたクマは麻酔銃で捕獲され、町内の鳥獣保護区に放されたという。
■雪の上に人間よりも大きい足跡
クマの出没は、雪で白く染まった北海道でも…。
苫前町猟友会 林豊行会長(74):「爪が5本。約15センチ(体重)250~300キロまでいくかどうか」
民家の近くには雪の上に人間よりも明らかに大きいヒグマの足跡が残されていた。
猟友会に所属する林さんは先月もこの場所でヒグマに遭遇。その時に撮影された映像には人の背丈ほどのヒグマが。こちらに気づいても、慌てる様子はない。
林会長:「『ここは俺の縄張りだ』みたいな感じで向かって歩いてきた」
その後、設置した罠でクマは捕獲された。
■倉庫に侵入…「子グマだが以外と大きい」
青森県内では14日、倉庫にクマが侵入。2時間にわたりにらみ合いが続いた。倉庫から勢いよく飛び出してきたのは、体長60センチから80センチの子グマ。倉庫内に置かれた肥料の袋は破られ、中身が散乱した状態に。
目撃した社員:「子グマと聞いていたんですけど、走った様子を見ると意外と大きいなと思って」
■子グマを連れた“雌の親グマ”には警戒が必要
激しく威嚇しているのは、雌のツキノワグマ。鋭い爪で仕掛けを何度も攻撃。近くには子グマがいる。
この映像を撮影したのは、20年以上、ツキノワグマを研究している新潟大学の箕口秀夫教授。子グマを連れた雌の親グマには特に警戒が必要だという。
新潟大学農学部 箕口秀夫教授:「子グマを守ろうと思って威嚇をしている。神経質になっていたりするので、十分気を付ける必要がある」
■100針の大けが…「肩が解放骨折」
相次ぐクマによる被害。実際に襲われ、大けがをした男性が“恐怖の瞬間”を語った。
ヒグマに襲われた高橋和寿さん:「まぶたの上まで爪が伸びてバスって切れて。爪が入ったらしい。ここから入って」「(Q.爪が貫通した?)貫通した。トンネル状態になっていたそうです」
男性の顔に残る痛々しい傷痕…。被害を受けたのは先月13日、釣りをした帰り道のことだった。
高橋さん:「ヒグマの親子がいきなり目の前にいたんですよ。どこか見えないところに隠れようとしたが、その前に子グマに発見されて。子グマが寄ってきた瞬間に親がいきなり怒りはじめて、すごいびっくりするくらい声出して、よだれだらっだらたらしながら、アタックしてきました」
男性は持っていたクマスプレーで対抗したものの…。
高橋さん:「クマスプレーで顔とかに向かって吹きかけたんですけど、かけた瞬間クマも起き上がって回避して」
スプレーをかわされ、顔面を引っかかれ、脳震盪(しんとう)のような状態に。気づいた時には肩をかまれ、振り回されていたという。
高橋さん:「けっこうひどかった。頭も切られてて、肩も開放骨折でぐちゃぐちゃだったしい。すぐ手術していただいて」「(Q.何針くらい縫った?)100針は超えていたと思う」
1カ月ほど経過したが傷痕は残り、いまだに腕は上がらないという。
■クマ襲撃で“顔面骨骨折” 医師「車同士の交通事故に見られる」
今年、全国で最も多くの人身被害が出ている秋田県でクマによるけがの治療を行っている医師は次のように話す。
秋田大学医学部附属病院 土田英臣医師:「結構な方が顔面骨骨折という形になっているので、(クマの)パワーはとても強いものと感じる。(顔面骨骨折は)車同士の交通事故で顔面を強打したという形で見られる。高エネルギー外傷といって、大きな力が働いた方でしか見られない所見」
今年5月、クマに襲われた重傷患者のCT画像では顔面の骨が激しく砕けている。この患者は、およそ半年たった今も治療が続けられ、今後も手術を予定しているという。
■猛暑の影響で餌が不足…冬眠しない?
全国的に冷え込む日も増え、ようやくクマが冬眠する時期を迎えるが、今年はまだまだ油断できないという。
動物研究家 パンク町田氏:「今年のように餌(えさ)が全体的に不足しますと、冬眠できないクマが現れます。そのようなクマのことを“穴持たず”というのですが、冬眠に入るに入れない状態になっていますので、まだまだクマによる被害は増えると思います」
猛暑の影響で餌が不足し、脂肪を蓄えられず冬眠できないクマが冬の間中、餌を求めて動き回るという危険性が今年は増加すると指摘する。
パンク町田氏:「冬眠できなかったクマ、すなわち“穴持たず”というものは、おなかが減った状態です。空腹時は気が立ちやすいです。今まで見てきたクマたち以上に危険ですので、より注意が必要になると思います」
■ハンター苦悩 「低報酬・誹謗中傷」
クマの出没が増えるなか、命がけでクマと向き合っているハンターは複雑な心境だという。
北海道猟友会 標茶支部 後藤勲支部長(80):「今これだけ大騒ぎになっているんだから、やっぱりハンターの立場をきちっとしてもらわんとダメ」
こう話すのは、北海道猟友会標茶支部長の後藤さん。牛66頭を襲ったとされるクマ「OSO18」を追っていたハンターだ。
後藤支部長:「熊が出たからって出ていったってね、パートの金額しか出ないんだから、正直なところ。4時間以内だったら6000円なんだけど、パートに行くのに命かけてそんな馬鹿げたことやってられるかって」
後藤さんが活動する標茶町では、クマのパトロールに出動した場合、一日1万2000円、4時間以内の場合は6000円の報酬が支給される。
後藤支部長:「我々ボランティアって頭にあるからね、金を出せとは口が裂けても言えないから。だけどやっぱり、出ていかなければ出ていかないで、『鉄砲を持ってるのにあいつら何だ』と、こうなるわけでしょ。どっちに転んだってね、ハンターに良い結果にはならない」
クマ対策への苦悩は、お金の面だけではない。
後藤支部長:「撃ったことによって誹謗(ひぼう)中傷がどんどん出てくるなんて、バカな話はない」
人に危害を加えたり、人里に下りて来たクマを駆除することに対して苦情や抗議が殺到しているいう。
後藤支部長:「『殺さないでくれ』って言うけれど、どうすればいいんだって、その結論は何も出てこない」
実際に苦情の電話を受けた自治体の職員も対応に頭を抱えている。
抗議の電話を受けた自治体職員:「『あなたたちがやっていることは人殺しと変わらない』『地獄に落ちろ』みたいなことを言われましたね」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年11月16日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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