住宅地でマグマが噴き出す? アイスランドで“火山危機”住民が一斉避難(2023年11月15日)

住宅地でマグマが噴き出す? アイスランドで“火山危機”住民が一斉避難(2023年11月15日)

住宅地でマグマが噴き出す? アイスランドで“火山危機”住民が一斉避難(2023年11月15日)

 道路に入った大きな亀裂。白い蒸気のようなものが立ち上っています。アイスランドで頻発している火山性の地震。大規模噴火の懸念が高まっています。

■大地が裂け“白い蒸気”噴き出す

 突然、大地が裂け、そこから噴き出す水蒸気。道路にできた巨大なひび割れ、その至る所から発生。この道路の下にマグマが迫っている可能性が浮上。町の中心部で噴火する危険性が高まったのです。

 火山大国・アイスランドはこれまで幾度も火山が噴火。そのほとんどは人里離れた場所で起きていました。しかし今回、前代未聞の事態。住宅地でマグマが噴き出すかもしれないのです。

 防災担当者:「住民の避難を決定し、同時に州兵を動員しました」

■48時間で地震が「1100回超」

 町を襲う激しい揺れ。48時間で1100回以上もの地震を観測。政府は緊急事態を宣言。すべての住民4000人が一斉に避難。一本道の道路は大渋滞。場所は北欧の島国アイスランド。その南西部、首都からおよそ40キロ離れた町、グリンダビーク。

 避難した住民:「大パニックだったよ。地震もすごく多かった」

■おととしには“約800年ぶり噴火”

 この地域で、火山が長い眠りから覚めたのはおととしのこと。実に781年ぶり。日本でいう鎌倉時代以来の噴火でした。比較的小規模で爆発的な噴火ではなかったことから見物人が殺到。そのなかには、調査をしながら、あつあつの溶岩でソーセージを焼いてホットドッグを作る研究者の姿も。

 しかし、自然の猛威がひとたび牙を向けば甚大な被害をもたらすことに。1996年の噴火ではヨーロッパ最大の氷河が溶け、大洪水が発生。東京ドーム3万個分に匹敵する大量の水が下流を襲い、多くの橋や幹線道路を破壊。

 2010年、アイスランド南部で起きた大規模な噴火では、噴煙や火山灰の影響でヨーロッパの多くの空港が閉鎖。世界レベルで人の往来や物流が滞る事態になったのです。

■巨大温泉“ブルーラグーン”閉鎖

 日本と同様、プレートの境目に位置するアイスランド。豊富な温泉が湧き、「ブルーラグーン」と呼ばれる巨大な露天風呂に世界中の観光客が殺到。しかし、噴火の危険性が高まり閉鎖されました。

 避難した住民:「どうなるか分からない。とても怖かった」

■地下にマグマトンネル?町封鎖

 政府が推測した「マグマトンネル」。町の地下にマグマの通り道があるとみられています。当初は海底で噴火するとみられていました。

 しかし、各地で地割れが発生。マグマトンネルは地下深くから徐々に地表に近付いている可能性が高まり、町の中心部では道路や駐車場などに巨大な裂け目がいくつもでき、パイプが破損。大量の水蒸気が噴き出し、さらに有毒ガスも発生。町全体が封鎖されたのです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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