今年急増?冬眠しない「穴持たず熊」の脅威…専門家「人間をエサに見間違えも」(2023年11月15日)

今年急増?冬眠しない「穴持たず熊」の脅威…専門家「人間をエサに見間違えも」(2023年11月15日)

今年急増?冬眠しない「穴持たず熊」の脅威…専門家「人間をエサに見間違えも」(2023年11月15日)

 雪の上に残された大きな足跡。15日朝、確認されたクマのものです。例年、この季節に冬眠するはずのクマが眠らない事態も。さらに食の変化が凶暴化の一因となっていました。

■雪に巨大な足跡「300kg成獣か」

 これから冬本番を迎える北海道でも、クマの出没が急増。その脅威は、雪が積もる15日も。雪で白く染まる北海道苫前町。日本海に面した人口3000人に満たない町もクマの脅威にさらされています。雪の上に比較的新しいヒグマの足跡があり、人間の手より大きいサイズのものが続いています。

 苫前町猟友会 林豊行会長:「爪が5本、約15センチ。(体重)250から300キロ」

■巨大ヒグマが道に“全部で8頭”

 猟友会に所属する林さんは先月、この場所でヒグマに遭遇しました。その時に撮影された映像です。関係各所に連絡した後、林さんがその場を離れようとした時でした。人の背丈ほどのヒグマ。こちらに気付いても慌てる様子はありません。

 苫前町猟友会 林豊行会長:「『ここは俺の縄張りだ』みたいな感じで向かって歩いてきた」

 その後、設置したわなでクマは捕獲されましたが、そこで“思わぬ事実”が発覚します。わなに取り付けたカメラには3頭の親子グマや丸々と太ったクマなど、特徴の違うクマが次々、映り込んでいたのです。その数、少なくとも8頭。

 苫前町猟友会 林豊行会長:「私にしてみれば、かなり異常」

■「穴持たず」冬眠しないクマが

 さらに、林さんはこんな“恐ろしいクマ”の存在を教えてくれました。

 苫前町猟友会 林豊行会長:「“穴持たず”」

 “穴持たず”と呼ばれる冬眠しないクマ。この町で100年以上も語り継がれる1頭のクマが次々と村人10人を襲う事件を起こしました。

■“三毛別ヒグマ”語り継がれる教訓

 先月、ヒグマに遭遇した猟友会の林さん。北の大地に伝わる“恐ろしいクマ”の存在を語ってくれました。

 苫前町猟友会 林豊行会長:「大正4年(1915年)くらいの話だから。女の人だとか子どもたちがいて、クマがそれを襲った」

 「三毛別ヒグマ事件」。北海道開拓が続いていた大正4年12月、380キロの巨大なクマに臨月の女性や子どもなども狙われ、10人が死傷しました。その悲劇を引き起こしたのが…。

 苫前町猟友会 林豊行会長:「“穴持たず”」

 “穴持たず”とは冬眠する穴を持たない、冬眠しないクマのこと。林さんは、今でも“冬眠しない”クマは一定数いると話します。

 苫前町猟友会 林豊行会長:「(冬眠しないクマは)ここにも確実にいる。足跡があるんだから」

 今年1月に林さんが撮影した写真です。降り積もった雪の上にクッキリと浮かぶ足跡。札幌市でも、去年の大みそかにクマが出没して大騒ぎとなりました。

■眠らないクマ「穴持たず」生態

 なぜ、冬眠しないのでしょうか。専門家は“2つの原因”を指摘します。

 狩猟文化研究所代表 東北芸術工科大学 田口洋美名誉教授:「寝苦しくなって、おなかも空いて『やっぱり何か食べようかな』と思って起き出すとか、人間でもあるじゃない」

 田口教授によると、クマの行動は人間と同じで個体差があり、暖冬で穴の温度が高くなれば、なかには寝付けず「冬眠“できない”クマ」が現れるといいます。

■どんぐり不足で肉食に“凶暴化”

 そして、もう一つが「食べ物」の影響です。

 狩猟文化研究所代表 東北芸術工科大学 田口洋美名誉教授:「今年のような、夏に食物がなくて、その裏でシカを食べたりイノシシを食べたり、一年を通して肉食化しているやつがいる」

 シカなどを食べて肉の味を覚えたクマは、栄養状態が良すぎて冬眠でエネルギーの消費を抑える必要がなくなり、まれに冬も動き回るクマが現れるといいます。木の実が不足して暖冬が予想されるこれからの冬は、特に警戒が必要。そうしたクマは眠くなって判断力が鈍ると、“狂暴化”する恐れもあります。

 狩猟文化研究所代表 東北芸術工科大学 田口洋美名誉教授:「人間というものを、一種の餌(えさ)と見間違えるというか、そういうものが個体として現れる危険性がある」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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