銃撃受けても「平等を諦められない」差別との闘い 「男性優位主義」が強く残るメキシコのトランスジェンダー女性【SDGs】|TBS NEWS DIG

銃撃受けても「平等を諦められない」差別との闘い 「男性優位主義」が強く残るメキシコのトランスジェンダー女性【SDGs】|TBS NEWS DIG

銃撃受けても「平等を諦められない」差別との闘い 「男性優位主義」が強く残るメキシコのトランスジェンダー女性【SDGs】|TBS NEWS DIG

心の性と体の性が一致しない「トランスジェンダー」の闘いです。「男性優位主義」が強く残るメキシコでは壮絶な差別があります。その現状を取材しました。

「より強く、より美しく見えるようにね」

入念にメイクをしているのは、“ミス・ガビオタ”ことウェンディ・マルチネスさん(46)。

国民的人気を誇るプロレス「ルチャ・リブレ」を舞台に、メキシコ初のトランスジェンダーレスラーとして20年以上活躍してきましたが…

トランス女性レスラー ウェンディさん
「差別や偏見は当たり前。オカマ売春婦、同性愛者、ホモ野郎とか、ひどい言葉を言われました」

普段は美容室を営んでいて、この日の客は母親。

ウェンディさんの母
「『こんな息子をよく受け入れられるね』と周りから言われ、とてもつらかったです」

それでも…

ウェンディさんの母
「夫に『そういう人もいるよ。悪く思っちゃいけない』と言われたんです」

トランス女性レスラー ウェンディさん
「私は(家族に)とても愛されている。とても恵まれていると思う」

ウェンディさんは家族の理解を得られましたが、「マチスモ」という男性優位主義の概念が強く残るなか、居場所を失う人も少なくありません。

「売春を始めたのは9歳の頃です」

トランスジェンダー女性の支援団体を運営する、ケニア・クエバスさん(50)。家族からの虐待から逃げるように、9歳で夜の街に立ちました。

トランス女性の支援団体代表 ケニアさん
「(この仕事で) 私は自由を感じることができたんです」

性的マイノリティの権利保護に向けた法整備は進んでいますが、トランス女性への偏見は未だに強く、定職に就けずにセックスワーカーとなるケースも多いのです。しかし、夜の街は危険と隣り合わせです。

トランス女性の支援団体代表 ケニアさん
「ここがパオラが殺された場所です」

7年前、友人のパオラさんは目の前で客の男に射殺されました。ケニアさんの目撃証言は証拠として不十分とされ、男はすぐに釈放。ケニアさんはこれを機に、トランス女性の人権保護を訴える団体を設立し、3年前には国内初のシェルターを開設しました。

メキシコでは、1年間に56人ものトランスジェンダーが殺されていて、ケニアさん自身も命の危険にさらされています。

トランス女性の支援団体代表 ケニアさん
「これは撃たれた痕です。ここから弾が入って貫通しました。こちらもそうです」

ケニアさんの活動に反発する勢力による犯行だとみられています。

トランス女性の支援団体代表 ケニアさん
「(Q.命の危険がある中で、何があなたを突き動かしているんですか?)みんなが完全に平等に扱われる日が来ることを夢見ているんです。それが私の原動力です。だから諦められないんです」

彼女たちが求めているのは、「人としての尊厳」です。何か特別なものではありません。その道のりは、なぜこうも遠いのでしょうか。

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