季節外れの暑さ…原因は“偏西風” 気象予報士が解説 週末から“晩秋らしい肌寒さ”(2023年11月6日)
この季節外れの暑さ、原因は何なのでしょうか?気象予報士の今村涼子さんが解説します。
■ポイントは「偏西風」の位置
最も大きな理由は、南から強い暖気が入ってきているためです。
そして、その強い暖気に影響を与えているのが「偏西風」の位置です。
偏西風の模型を使って説明します。例年のこの時期、偏西風の位置は関東地方の少し北側、本州の上部辺りです。
偏西風の南側には暖気が入りやすくなり、例年も西日本を中心に暖気が入ることがあります。
ただ、先週11月3日からの3連休中から、偏西風の位置が北上。北海道よりも北にあるため、北日本まで暖気がぐっと入れる状況になっていました。これで、全国で記録的な暑さとなりました。
では、なぜ今年は、偏西風がこんなに北にあるのでしょうか?
■大陸方面で南に蛇行…日本付近で北に
偏西風を考える際は、地球規模で考えなくてはいけません。6日の偏西風の状況を見ていきます。
偏西風は、北極を中心に北半球をぐるりと一周しています。図の黄色、オレンジ、赤の箇所が偏西風です。
偏西風をよく見てみると、円形ではなく“うねり”をともなって吹いていることが分かります。このうねりの原因は、陸地や海水温の温度分布など様々な要因があります。
一つの特徴として、ある場所で南に大きく蛇行すると、その東側では北側に大きく盛り上がる形になることがよくあります。
そして今回、偏西風は大陸あたりで南に蛇行しています。そのため、日本付近で北に大きく盛り上がる形が続いたため、暖気が入りやすくなったということです。
偏西風は予想も立てづらく、なぜこの時期に今のような状態なのかは分かりません。
ただ今回のような極端な現象が起きた際に偏西風を見てみると、大きく蛇行していることが多いことから、「偏西風蛇行」は異常気象の要因になりやすいと言えます。
■週末以降は…“晩秋らしい肌寒さ”に
今後、偏西風が南下して寒気が流れ込んでくるかどうかを見ていきます。
6日は、北日本まですっぽり暖気におおわれています。7日以降、やや暖気は弱まりますが、10日頃まで残りそうです。
そして、変化が出てくるのが週末です。北からの寒気が南下してきて、11日から14日にかけては、日本列島を寒気が覆う予報となっています。
週末以降は、気温も平年並か低め、晩秋らしい肌寒さとなるところが多くなるでしょう。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2023年11月6日放送)
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