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ウクライナ人女性が「俳句」で停戦訴え 地下壕から詠む戦禍の日常(2023年11月4日)
ロシアの侵攻が続くウクライナで、避難生活を強いられながら俳句を詠み続ける女性がいます。俳句を通して停戦を訴えています。
「冬の星 あふれて 灯火管制下」
2022年2月24日。ロシアのウクライナ侵攻が始まった日のことを、ウクライナ人のウラジスラバ・シモノバさん(24)はこのように残しています。
ウラジスラバ・シモノバさん:「夜静かになって窓の外を見ると、外の暗さに驚きました。空にはたくさんの星が見えました」
ロシアとの国境に近いハルキウに住んでいたシモノバさんの暮らしは、この日を境に一変しました。
鳴り響く空襲警報や爆発音に怯えながら両親と愛犬とともに地下壕(ごう)に避難したといいます。
3カ月間に及ぶ地下での生活が始まりました。
ウラジスラバ・シモノバさん:「座っていると、紙飛行機がいきなり近くまで飛んできたことを覚えています。どこから飛んできたのかと思っていると、子どもたちが走ってきました」
「地下壕に 紙飛行機や 子らの春」
子どもたちが無邪気に紙飛行機を飛ばしている地下壕の上ではロシア軍の戦闘機が飛んでいて、その対照的な光景に、シモノバさんのペンは自然と動いていました。
いつしかシモノバさんの詠む俳句のテーマは「花や木」などの美しい世界から、「戦争」へと変わっていったのです。
シモノバさんが俳句を始めたのは今からおよそ10年前。入院していた病院で、松尾芭蕉や与謝蕪村の俳句が収められた本を手にしたのがきっかけでした。
ウラジスラバ・シモノバさん:「非常に短い句の中に、いかに多くの意味を詰め込むことができるのだろうと驚きました」
シモノバさんにとって俳句は「気持ちを形にする大切な道具」となり、これまでに詠んだ句は700を超えました。
そして今年8月、夢にまでみた自身初の句集を日本で出版しました。
侵攻による人々の苦しみを伝えながらもシモノバさん自身、新しい出会いも経験し、将来への希望も見出しています。
「鳥戻る 戦地となりし 故郷に」
ウラジスラバ・シモノバさん:「自分の家に帰り、仕事に就き、普通の平穏な暮らしを取り戻したいです。その日まで私はペンという武器を手に戦い続けます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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