どうなるクマの冬眠「凶作の年」は“早い”暖冬予想も影響か(2023年11月2日)
クマによる被害が相次いでいます。この被害が落ち着くきっかけとなりそうなのが冬眠です。ただ、今シーズンは冬眠にある異変が起こるかもしれないということです。どういうことなのか、クマの生態に詳しい石川県立大学・大井徹特任教授に話を聞きました。
■クマがあきらめるきっかけは「雪と寒さ」
クマが早く冬眠に入るのはどちらでしょうか。
クマのエサとなる木の実などが
(A)豊作の年
(B)凶作の年
正解は「エサが凶作の年」だそうです。
まだ研究段階ですが、エサが凶作の年の方が、ヒグマでもツキノワグマでも早く冬眠に入る傾向があるということです。
先生に理由を聞いてみました。クマは、ある程度空腹でも「もうエサがないから、これ以上エネルギーを使っても無駄だな」とあきらめて、早く冬眠に入る傾向があるということです。
今年はエサが凶作で、山の中にあまりないと言われています。したがってこの傾向に当てはめると、クマはあきらめて早く冬眠に入ってくれるはず、ということになります。
■今年は暖冬で冬眠遅れる?人間ができる「きっかけ作り」がある
しかし、先生は「どうやら今年は違うぞ」と話しています。
クマが「もうエサがないから、あきらめて寝ようかな」と思うきっかけとなるのが、「雪」と「寒さ」です。クマは雪が積もってくると、「あっ、もう冬眠に入るシーズンだな」と認識するそうなんです。
ただ、今年は暖冬傾向で北日本では気温が「平年並みか高い」、雪は北日本で「平年に比べ少ない」見込みとなっています。ですから、クマとしては、なかなか冬眠に入るシーズンをつかみにくいという状況になりそうです。
では、雪を待つしかないのでしょうか。大江先生によると、「暖冬だからこそすべきことがある」ということです。
庭先にある柿などを撤去したり、生ゴミを放置しない。こうした環境を作って、「クマにエサがないとあきらめさせることが大切だ」と話していました。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2023年11月2日放送)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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