けが人や外国人らエジプト側へ ガザ境界が“開門”初の人道的脱出(2023年11月1日)
イスラム組織『ハマス』とイスラエルの衝突後、支援部物資の搬入以外では初めて、ガザ地区とエジプト国境にある、ラファ検問所が開かれ、外国人らが脱出しました。通過を許可された人のリストには、日本人の名前もありました。
エジプトメディア:「エジプトからトラックが、次々とパレスチナ側へ入っていきます。こちらは救急車の車列です。ガザ地区から負傷者を搬送するために、パレスチナに入っていきます。イスラエルの攻撃で負傷した人の搬送の“第一陣”です」
カタールの仲介で、イスラエルとハマスが合意したという人道的脱出。けが人に加え、外国籍のパスポートを持つ約500人のリストが事前に公表され、ラファ検問所に向かうよう指示されていました。リストには複数人、日本人の名前もありました。以前、取材に応じた国境なき医師団の白根麻衣子さんも含まれています。
パレスチナとエジプトの二重国籍:「もう疲れた。疲れた。自分の国なのに入れない。親も子もエジプトにいる。もう疲れた。助けてください。入国させてください」
ヨルダン国籍:「25日間も検問所を行ったり来たり。やっとリストに名前が載った。昨日、載った。名前があって驚いた」
日本時間1日夕方、門が開くと、一斉に人々がなだれ込みます。検問所を越えた人のなかには、パレスチナのけが人、70人も含まれていました。一段階進んだと見える、ガザ地区への人道支援。しかし、イスラエル軍の攻撃は収まる気配がありません。
イスラエル軍の攻撃を受けたのは、ガザ地区北部のジャバリア難民キャンプ。イスラエル軍はこの攻撃で、発端となったハマスによる7日の攻撃の“首謀者”を殺害したと発表しました。「民間人を標的にはしていない」というアピールではありますが…。難民キャンプは一帯すべてが破壊され、少なくとも50人が犠牲になりました。支援物資が届きづらい北部の病院に、続々と患者が運ばれてきます。
病院関係者:「ジャバリアを揺るがした空爆後、搬送された負傷者は数百人。数百人の死者に、数百人の負傷者です。自宅にいた人たちが空爆の被害に遭いました。子ども老人も女性も亡くなってしまいました」
先月31日は、少なくとも3カ所の難民キャンプに空爆。ハマスだけを狙い、民間人の犠牲を最小限に抑える努力を、イスラエルがしているようには到底、思えません。
難民キャンプの人:「全ての見ているだけの人たち。あいまいな態度をやめてほしい。アラブ諸国も、自由を愛する国も、人権団体も、何もしないあなたたちを、我々は神に訴えることしかできない」
日付が変わって今月1日も、ジャバリア難民キャンプは空爆を受けました。立て続けに立場の弱い人々の命が奪われていることに、イスラエルを支援するアメリカでも、抗議の声が上がっています。ブリンケン国務長官の議会公聴会中、と書かれたプラカードを掲げる傍聴人の姿がありました。
女性:「ガザでの虐殺をやめろ。支援しているのは、残酷な虐殺だ。恥を知れ。世界は停戦を求めている」
抗議したのは、反戦や人権保護を求める団体のメンバー。女性が連れて行かれるなか、赤く染まった手を掲げる人の姿も見えます。議会警察は、公聴会を妨害したなどとして12人を逮捕しました。それでも、アメリカの態度は変わりません。
米NSC カービー戦略広報調整官:「(Q.特に人口密度の高い難民キャンプで多くの命が失われた。イスラエル国防軍はハマス指揮官を狙ったと発表。これは武力紛争法の規定違反にあたるのではないか)何とも言えません。つい先ほどの出来事で、まだ詳しい情報がありません。人道的な休戦は有用でしょうが、場所・時間・期間・目的について、双方からの信用できる裏付けが必要です」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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