4万円減税は「1回想定」 8人“32万円減税”家族のFP母「金配っても増税進んでいる」【もっと知りたい!】(2023年11月1日)
政府が検討している1人4万円の定額減税は、納税者だけでなく扶養家族も対象となるため、子どもが多くいる家庭は減税額が大きくなります。では、実際にどう感じているのでしょうか。
■国会で激論 総理「1回で終わらせたい」
立憲民主党 徳永エリ議員:「所得税・住民税、4万円の減税。国民から大変に評判が悪い。こんなに評判が悪くなると、総理は思っていたか」
岸田文雄総理大臣:「国民の皆様がどう評価するか、これは国民の皆様のご判断」
評価しない人が多い、4万円減税。政府は物価高対策として、2日に正式に所得税の減税などを盛り込んだ経済対策を閣議決定する予定です。
立憲民主党 蓮舫議員:「とにかく物価が上がり続けています。本当に生活が苦しい。でも、4カ月間、国会を開かないで、ようやく開いたと思ったら、経済対策を出すのは11月2日ですか。減税は来年の6月でしょ。全部遅すぎませんか」
岸田総理:「経済対策については、これまでも累次、様々な対策を発動しております」
蓮舫議員:「1回の給付金と来年の夏の減税で、賃上げは物価高を超えるんですか」
岸田総理:「まずは一時的に、国民生活を支える措置を用意したいと思っています」
蓮舫議員:「1回で終わるんですね」
岸田総理:「1回で終われるうように、経済を盛り上げていきたいと思っています」
岸田総理は、所得税などの減税について、1年が軸になるとの認識を改めて示しました。つまり、来年の6月に一度だけ減税して、おしまいということです。
■物価高が生活を圧迫 減税は“焼け石に水”
減税は「1年だけ」というニュースに、がっかりしたのが、東京・墨田区の高根さん夫婦です。
高根さんファミリーは子ども6人、夫婦と合わせて8人の大家族。子育てに出費がかさみます。
子ども6人の母親 高根愛さん(34):「唐揚げは鶏肉をたくさん使う。一回にお金がかかってしまうので。野菜炒めにしたり、他でかさ増ししています」
高根さん家族は4万円×8人で、32万円の減税はありがたいと感じているものの、1年だけの減税では家計は厳しいままだと感じています。
愛さん:「光熱費が上がっている。ちょっと前にも上がったばかり。また冬が来る。すごく怖いですね、今。何万円の請求が来るんだろうって」
子ども6人の父親 高根健志郎さん(36):「減税されたとしても、支出額の方が高くなりつつあるので。プラスマイナス、ゼロかな」
年に一度の旅行も、今年は諦めました。物価高が生活を圧迫しているため、減税されても“焼け石に水”だといいます。
■FP“1年限り魅力ない” 減税の先に増税?
杉並区の橋本絵美さん(40)も、6人の子どもを育てるママ。32万円が減税されることになります。
ファイナンシャル・プランナーとして、生活設計や資産運用の相談に応じる、お金のプロでもある橋本さん。減税の評価は?
橋本さん:「1年間しか減税されないなら、もし財布のひもを緩めてしまったら、翌年どうなるのか不安はあります」
橋本さんも、1年限りの減税に魅力はないと断言。減税の先に、増税が目に見えているからだといいます。
橋本さん:「(金を)配っても、増税は進んでいるという疑問が残る。実際、皆さんが気づかない間に雇用保険・社会保険料が上がっている。今後、サラリーマンはどんどん増税されていく。手放しでは喜べない」
退職金への増税や、通勤費への増税もくすぶり続けています。
■少子化対策で社会保険料に“数百円”上乗せ
さらに、2025年度以降に先送りされましたが、防衛費増額のための所得税増税も待ったなしの状況です。
また、政府は今年6月、3兆5000億円規模の新たな少子化対策「子ども未来戦略」を決定。財源は社会保険料への月々数百円の上乗せなどを想定しています。
蓮舫議員:「さらなる負担増が見込まれる少子化対策。加藤大臣、これにいくらかかるんですか」
こども政策担当 加藤鮎子大臣:「3.5兆円を見込んでいます。国民に実質的な追加負担を生じさせないことを目指す」
蓮舫議員:「追加的な負担がなくて、3.5兆円が生まれるという理屈が分からない。だから、偽装減税って言われるんじゃないですか。将来の負担は言わず、1回だけの減税だけは言う。それが国民に見透かされていると思いませんか」
岸田総理:「デフレ脱却。好循環を来年に向けてつなげていく。これをぜひ果たしたい」
(「グッド!モーニング」2023年11月1日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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