母親「息子は梨泰院が好きだった」遺族に誹謗中傷も…雑踏事故から1年 街に変化は(2023年10月27日)

母親「息子は梨泰院が好きだった」遺族に誹謗中傷も…雑踏事故から1年 街に変化は(2023年10月27日)

母親「息子は梨泰院が好きだった」遺族に誹謗中傷も…雑踏事故から1年 街に変化は(2023年10月27日)

159人が犠牲となった、韓国・梨泰院の雑踏事故から1年。その傷はいまだ癒えていません。

追悼に訪れた人:「色々と複雑です。もどかしいです。20代前半の子たちがたくさん、光を失った。同世代なので、とても残念です」「今年はハロウィンイベントに参加する気はありません。お酒持ってきて供えました。『守ってあげられなくて、ごめんなさい』と伝えたくて」

同じ事故は2度と起きてはいけない。現場周辺では、そういう雰囲気もありました。大惨事はなぜ起きてしまったのか。調査報告書には、このように書かれています。

韓国警察庁 特別捜査本部(調査報告書):「梨泰院に人が集まりすぎると、事故につながると予想できた。しかし、警察や自治体は、適切な予防措置を講じなかった。関連機関の不十分な協力体制により、救援措置が遅れ、多くの人命被害をもたらした」

責任を追及された関係機関。警備態勢などを見直し、緊急時の対応についてもシミュレーションを行うなど、再発防止に乗り出しました。また、警察やソウル市はカメラ900台を増設し、AIを使って人々の密集を予測する監視システムを導入しました。

報告書によりますと、梨泰院の事故で150人を超える人々が圧迫死したのは、駅からストリートに向かう人、またストリートから駅に向かう人双方が、狭い路地で入り乱れ群衆化。連鎖的転倒が起きたことが原因です。人が密集すると、どうなるのでしょうか。

韓国警察庁 特別捜査本部(調査報告書):「1平方メートルあたり7人程度の密度だと『群衆流体化』が起きる」

群衆流体化が起きると、体が浮き上がるなどして、方向や動作などが一切、自分で制御できなくなります。被害があった坂道では当時、5.7×3.2メートルの範囲に300人がいました。1平方メートルに対し、16人がいた計算になります。

当局が導入したカメラは、群衆化する前に、AIを使って1平方メートルあたりに何人がいるかを判断し、多ければ対応するのが目的です。

事故での犠牲者には14カ国、26人の外国人もいました。留学中だった冨川芽生さん(26)も、その内の1人です。

芽生さんの父 冨川歩さん(61):「本当に夢を持って、韓国が大好きで行った娘なので、生きていれば今どうしているかなと思います」

梨泰院の事故はたまたま、あの時あの場所だっただけで、世界中のどこでも起きる可能性があります。当然日本でも…。

冨川歩さん:「渋谷のハロウィンに、娘も行っていますから。若者は、そういう所に集まるのは好きですから。今年は特に『集まるな』と。ハチ公にも囲いしているから、なるべく集まらないで、自分の家で過ごしてほしいな」

犠牲者のほとんどは20代以下でした。キム・ヒジョンさん(55)は26日、19歳で亡くなった息子、チェ・ミンソクさんの納骨をしました。この1年間、キムさんを傷付けてきたのは「繁華街で遊ぶ方が悪い」といった誹謗中傷です。そんな声に対し、今あえて強調したいのは、息子の好きだった街、梨泰院についてでした。

キム・ヒジョンさん:「ミンソクは梨泰院が好きで、『どうして行ったんだ』と言う人もいますが、どこに行ってもいいはずです。梨泰院に行ったのは悪くない。行ってはいけない場所でもない。魅力があって、誰でも行ける街で、開放性と多様性があり、世界の文化に触れられます。“なかったもの”にしてはいけないんです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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