三宅島火山 23年ぶりに登る 絶景に感激…大噴火で激変 移住誘致&観光で活性化へ【もっと知りたい!】(2023年10月25日)

三宅島火山 23年ぶりに登る 絶景に感激…大噴火で激変 移住誘致&観光で活性化へ【もっと知りたい!】(2023年10月25日)

三宅島火山 23年ぶりに登る 絶景に感激…大噴火で激変 移住誘致&観光で活性化へ【もっと知りたい!】(2023年10月25日)

 2000年に大噴火した東京・三宅島の雄山に、来月から一般の人も登れる見込みとなりました。23年ぶりに見る雄山は、どのような姿なのでしょうか。番組は特別な許可を得て、一足先に体験登山に同行しました。

■噴火した雄山…去年に入山規制を緩和

 東京都自然ガイド 平野奈都さん:「ここが火口が見える第1スポットです」「火口がよくきょうは見えてます」

 噴火から23年。深さ500メートル以上、直径およそ1.5キロの火口は今も、大きく開いたままです。

 2000年8月、島の中心にある雄山が噴火。火山ガスが大量に放出され、すべての島民は避難を余儀なくされました。それから5年間、島民は故郷の土を踏むことは許されませんでした。

 東京から南へおよそ180キロの所にある三宅島は、山手線の内側とほぼ同じ大きさです。

 20年以上の時が経ち、島民は以前の生活を取り戻していますが、噴火した雄山は去年、入山規制が緩和されたばかり。来月からは、一般の人も条件付きながら、本格的な入山が可能になる見込みです。

 平野さん:「この赤い現在地の所に来ました。この黄色い部分の登山道を上がっていきます」

 平野さんの上着のポケットには、火山ガスの濃度を測る測定器が入っています。現在も、ガス放出の恐れがあるためです。

 今、三宅島の雄山はどうなっているのでしょうか。番組が独自取材しました。

■大噴火で激変…絶景に感激「夢かなった」

 同行したのは、特別に許可されたメンバーによる体験登山です。

 その中にいるのは、青谷知己さんです。2000年の噴火当時、三宅高校の教師で、噴火の映像などを記録していました。

 標高530メートルの登山口から、直線距離およそ700メートルの火口周辺までのルートを登ります。

 歩き出すと、そこには辺り一面、風になびくススキの穂。ここには元々、たくさんの木が生えていました。しかし、火山ガスによってすべて枯れてしまったのです。

 平野さん:「そこにススキが生えてきている。このススキも本当そうですね、5~6年で。それまでは土壌がむき出しの状態になっていた」

 視界を遮るものがなく、どこまでも広がるススキの穂。その向こう側に見える海の底には、溶岩で形成された独特な地形が広がっているといいます。

 火口を目指し、長い木の階段を登っていきます。そのすぐ隣には、昔の登山道があります。

 平野さん:「今ちょうど右手の方に階段の残骸が見えますけども。木の階段が昔、山の中にあったが、それがまだ残っている」

 登り始めてから、およそ30分…。

 平野さん:「ここが火口が見える第1スポットです。火口がよくきょうは見えています」

 晴れの日でも雲がかかりやすい山頂。しかし、この日は火口がきれいに姿を見せました。

 参加者:「素晴らしい。やっと、ここまで来ました」「うれしいです。夢がかなった」

 平野さん:「4年前までは、水がたまっていた。それが、あの部分が崩落してしまい、水が抜け出してしまった」

 青谷さん:「ようやく、ここまできた。これをきっかけに、いろんな人がきてくれれば、こういう景色は日本でも、世界でもなかなかない景色。ぜひ、みんなに見てもらいたい」

■“観光”“移住”に注力…経済活性化を目指す

 透明度の高い海や、溶岩で形成される独特の風景。今、三宅島はこうした豊富な自然環境を生かし、観光の誘致や移住の呼び込みに力を注いでいます。

 三宅村地域おこし協力隊 山内拓さん:「三宅村では島暮らし体験事業という、お試し移住のイベントがある。ガイドがついて観光ツアーと先に移住している方たちと交流できる」

 千葉県出身で、今年6月に移住した片山瑠璃子さん。自分の飲食店を持ちたいという夢をかなえ、三宅島の人たちにいこいの場を提供しています。

 人気のメニューは、島の海の恵みをふんだんに使った、魚介ベースの醤油ラーメン。トッピングの青のりも、島ならではの山盛りです。島に新たな名物が誕生しました。

 片山さん:「三宅島のことをもっとよく知りたいですし、三宅島の人とたくさん触れ合って、よいご縁ができたらと思う」

 来月には、一般の人が登ることができる予定の雄山。これらを足掛かりに、島は経済の活性化を目指しています。

 三宅島観光協会 事務局長 谷井重夫さん:「やはり、この自然、この動植物、これが非常に豊富な島となっている。間近に見ることができるというのが、この三宅島の魅力ではないかなと思う。できれば早く、皆さんをお迎えできるよう、準備を進めていきたいと考えている」

(「グッド!モーニング」2023年10月25日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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