老舗「山の上ホテル」全館休業へ 川端康成ら数々の文豪に愛され(2023年10月24日)

老舗「山の上ホテル」全館休業へ 川端康成ら数々の文豪に愛され(2023年10月24日)

老舗「山の上ホテル」全館休業へ 川端康成ら数々の文豪に愛され(2023年10月24日)

 ノーベル文学賞を日本人として初めて受賞した川端康成さんに、「鬼平犯科帳」などで知られる池波正太郎さん。数々の文豪に愛されてきた「山の上ホテル」。その歴史あるホテルが来年2月に全館休業することが発表されました。ファンからは惜しむ声が上がっています。

■老舗「山の上ホテル」全館休業へ

 SNS映えするスイーツに、昭和レトロな雰囲気も漂うパフェ。絶品スイーツが堪能できるのは東京・千代田区、アールデコ建築が特徴的な「山の上ホテル」です。

 山の上ホテルHPから:「創業70周年を迎える山の上ホテルは竣工(しゅんこう)から86年を迎える建物の老朽化への対応を検討するため2024年2月13日より当面の間、休館することとなりました」

 全館休業の知らせから一夜明けた24日。休業を惜しむ人たちが押し寄せていました。

 岐阜から来た人(60代):「きのう夕方のニュースで(休館を)知ったので急いで岐阜県からきょうの朝から来て、天ぷらを一度食べてみたいと思っていたので食べてきた。ギリギリセーフで」

 70代:「寂しい。学生時代からだから50年くらい経つ」

■「びっくり」伝統スイーツに殺到

 「山の上ホテル」は1954年、昭和29年に開業。アールデコ様式の独特なデザインは多くの利用者から人気を集めていました。

 福岡から来た人(30代):「クラシックな雰囲気がすごく好きで行きたい場所だった。休館すると知ってびっくりしている」

 福岡から来た30代女性のお目当てはホテル内のカフェで堪能できるスイーツ。24日は満席で整理券が配られるほど。バニラが香るスイーツ「伝統のババロア」に舌鼓。友人が選んだのは大人気の「プリンアラモード」。昔ながらの濃厚プリンに白鳥のシュークリーム、季節のフルーツが華を添えます。1時間待ったかいもあり、大満足。

 都内から来た人(30代):「昔ながらの復刻版だったので、当時を思い起こさせてもらって楽しく食べられた」

■数々の文豪が…カンヅメで執筆

 「山の上ホテル」はJR御茶ノ水駅から徒歩5分。神田駿河台の高台に位置しています。今では高層ビルに囲まれていますが、以前は違った景色が…。昭和の時代はホテルから東京都心の街並みが一望できました。多くの文豪たちに愛された「文化人のホテル」としても知られ、川端康成や三島由紀夫などが定宿として利用。ホテルに「カンヅメ」で執筆活動をしていたといいます。

 三島由紀夫:「東京の真中に、かういう静かな宿があるとは思わなかった。ねがはくはここが有名になりすぎたりはやりすぎたりしませんやうに」

■文豪が愛した“究極の朝ごはん”
 
 職場が近くの人:「やっぱり憧れ。文豪がカンヅメになって執筆した話は聞いていたので」「この建物が、すごく寂しいけど新たにどういう建物になるか楽しみではある」

 ちなみに「究極の朝ごはん」と呼ばれる和食セットは食通として有名だった池波正太郎が「品数を増やして」とリクエストしたことで誕生したといいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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