“日本一の色白漁師”カキにかける 急逝の父継いで…予期せぬピンチも「くじけない」(2023年10月24日)

“日本一の色白漁師”カキにかける 急逝の父継いで…予期せぬピンチも「くじけない」(2023年10月24日)

“日本一の色白漁師”カキにかける 急逝の父継いで…予期せぬピンチも「くじけない」(2023年10月24日)

 漁業の後継者不足が問題となっています。こうしたなか、勤めていた会社を辞め、カキの養殖業を継いだ女性がいます。なぜ家業を継いだのか、その思いを取材しました。

■「日本一の色白漁師」襲う…予期せぬピンチ

 日の出前の海に自ら舵をとる船で乗り出した下村水産の浅井絢美さん(33)は、自称「日本一の色白漁師」です。石川県七尾市の特産「能登カキ」の養殖を手掛ける水産会社の社長です。

 コンピュータ関連の会社でエンジニアをしていた浅井さんが、今年創業50年を迎えた家業を引き継いだのは4年前、29歳の時でした。当時、50代だった父・定夫さんが急死したのです。

 浅井さん:「父ががんで助からないと知ったのは、父が亡くなる2週間前だった。何の引き継ぎもできないまま、後を継いだ形になる」

 父親の生前、浅井さんは「家業を継ぎたい」と切り出したことがあるそうです。しかし、「女には無理だ」と相手にされませんでした。

 それでも、この仕事を引き継ぐ決心をした理由について、浅井さんは「30歳手前にして今後の人生を考えた時に、私は三姉妹の長女というのもあり、父が大切にしてきたものをこのまま終わらせていいのかという思いも強くなった」と話します。

 社長就任後は古参の社員全員が反発し、会社を去ったり、コロナ禍で売り上げが激減したりと苦難の連続でした。

 こうしたなか、SNSで生育状況や商品を発信し続け、今年に入り、経営もようやく軌道に乗り始めたかに見えましたが、社長就任4年目の浅井さんを予期せぬピンチが襲いました。

 浅井さん:「まるまるカキ棚1本分が死んでしまっていたりとか、今年は不作の年になると予想しています」

■カキ大量死…「独自開発商品」に望み

 能登カキの養殖を営む浅井社長は持ち前の負けん気で多くの苦難を乗り越えてきましたが、「カキの大量死」という新たな試練に直面しています。

 浅井さん:「この夏の猛暑の影響を受けて、海水温がかなり高い状態だった。今、カキたちが死んでいってるという状況です」

 さらに、浅井さんは「クロダイの食害を受けて、カキ自体が食べられてしまう」と話します。

 石川県ではクロダイの漁獲を増やそうと稚魚の放流が続いています。そのクロダイが、カキを食べてしまうというのです。

 今後は出荷時期を遅らせてでも、生き残ったカキを大きく育てて利益を確保し、独自に開発した加工品の販売に望みをかけます。

 浅井さん:「父が大事にしてきたものを残したいという気持ちと、おいしいカキを食べていただきたいという思いが強くなっている。それを守るためにここで諦めるわけにはいかないという気持ちで、一切くじけるつもりはありません」

(「グッド!モーニング」2023年10月24日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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