タイのスラム街育ち…“子どもオーケストラ” 貧困からの脱却目指す 日本で演奏会も(2023年10月19日)
タイのスラム街で育った子どもたちによるオーケストラが初来日。18日、都内で公演を行った。楽器の演奏を通し、貧困からの脱却を目指す活動に密着した。
■23年前…キリスト教宣教師が無償で音楽教室
鮮やかな音色を奏でるバイオリン。18日、タイの「イマヌエルオーケストラ」の演奏会が、都内にあるタイ大使館で行われた。
演奏をしているのは、中学生と高校生の子どもたち。彼らが暮らしているのは、タイ・クロントイ地区。およそ10万人の貧困層が暮らすバンコク最大のスラム街だ。
タイの平均月収はおよそ10万円だが、ここでは月3万円に満たない人々が暮らしている。
そして、貧困地域で問題となっているのが、麻薬などの犯罪だ。
スラム街で育つ子どもたちを犯罪から遠ざけるためには、何か熱中するものが必要だとし、23年前、ノルウェー人のキリスト教宣教師が無償で楽器を子どもたちに教える音楽教室を開いた。
その後、誕生したのがイマヌエルオーケストラだ。現在70人以上が所属し、これまでにタイ国内で100回を超える公演を行ってきている。
このオーケストラでバイオリンを担当しているのが、高校2年生のプレオさん(16)だ。演奏歴は11年になる。
プレオさん:「毎日が新しいことばかりで、本当に楽しいです」
両親が離婚し、父親と暮らすことになったブレオさん。父は単身赴任のため、祖父母と3人で暮らしている。
プレオさん:「ここの暮らしは、良いところもあるけど、麻薬などもあって良くないところもあります」「(Q.将来の夢は?)海外で演奏する世界的な音楽家になりたいです。タイのスラム街にも音楽家はいると知ってほしいです」
オーケストラの指導者によると、スラム街で育った子どもたちは、環境を変えたいという情熱があるため、上達が早いという。
来日を間近に控え、ブレオさんはメンバーとともに日本語を勉強。
スラム街に暮らす子どもたちによるオーケストラ。どんな音を奏でてくれるのか。
■オーケストラは…「私の人生を大きく変えました」
18日、都内にあるタイ大使館で行われた演奏会。将来は世界的な音楽家になりたいという16歳のプレオさんも緊張している様子だ。
プレオさん:「一生懸命弾きたいです。今まで演奏してきたものを超えるような演奏がしたいです」
スラム街に住む子どもたちによる演奏が始まった。
今回の公演では、支援してもらった日本への感謝の気持ちを込めて選んだという曲「ふるさと」も演奏された。
プレオさん:「オーケストラは私の人生を大きく変えました。色んなチャンスを与えてくれました。タイには上手な音楽家がいるよと知ってほしいと思います」
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年10月19日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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