ガザ“負傷者の4割は子ども” 16年間封鎖でトラウマ深刻(2023年10月14日)
軍事衝突が始って1週間。
認定NPO「パレスチナ子どものキャンペーン」ガザの現地スタッフ
「ご覧のように、遺体はすべて空爆で亡くなった人々です。これがガザに住む我々の現実です」
映像では、大きな遺体を入れた袋のそばに、小さな袋がいくつか並んでいるのが分かります。親子だったのでしょうか。
ガザで人道支援活動を続ける手島正之さん。映像は現地のスタッフから送られてきました。
認定NPO「パレスチナ子どものキャンペーン」手島正之さん
「14歳以下の人口はガザ全体の半数近く。なのでこの戦争で被害が起きているということは、本当にこどもが多数犠牲になっている」
ガザは16年間、イスラエル政府による封鎖で人や物の出入りが厳しく制限され、「天井のない監獄」と言われています。逃げ場はなく、住民の多くは人道支援を頼りに生活しています。
イスラエル ガラント国防相
「私たちはガザを完全に包囲した。電気も食料も水も燃料もすべての供給を止めている」
イスラエルは7日にハマスの攻撃が始まって以来、食料や医薬品を含むすべての物資について、ガザ地区への供給を止めています。
イスラエル ガラント国防相
「私たちは動物と戦っており、それに見合った行動を取っている」
ガザの病院では…。
ガザの病院の医師
「負傷者の30~40%が子供です。爆風や飛んできた破片や石で負傷したり自宅の瓦礫の下敷きになっていた。こうした怪我はすべてひどく細菌に汚染されており、何度も手術する必要がある。もし発電機が止まってしまったら、この病院は集団墓地と化してしまうでしょう。この病院の1000人の患者は確実に亡くなります」
病院の周りにも、多くの子どもたちの姿が。
ガザの住民
「攻撃されたので裸足で逃げました。1歳と1歳にならない子供、そして2歳4歳の子供、みんなを引きずって歩きました」
このような状況下のガザの上空に大量のビラが。幼子を抱え、ビラを手にする女性も。
イスラエル軍がガザ北部の住民に退避を呼びかけるビラです。ガザで人道支援を続ける矢加部さん。ガザの北部にはスタッフがいます。
NGO「ピースウィンズ・ジャパン」矢加部真怜さん
「約110万人が今回のターゲットになってるんですけども、そこで安全は保証されるのか。道路も非常に長い間大規模な空爆が行われていて、メインの道路も封鎖されているところが非常に多い。そもそも南部にたどり着ける保証もない。危険を承知で家に留まるしかないという状況」
移動すること自体が難しいといいます。イスラエル側に逃げることも出来ず、南部のエジプトとの境界にある検問所も封鎖状態で「逃げ場はない」というのです。
NGO「ピースウィンズ・ジャパン」矢加部真怜さん
「空爆が起きる度に子供たちは非常に多く犠牲になる。トラウマを抱えてしまう子が非常に多い。16年間ガザ地区は閉鎖されているので、単純に(人口の半数近くを占める)16歳以下の子供達は、隣に住んでいるイスラエル人の顔も見たことがない、話したこともないという人が残念ながら大多数です。イスラエル人は、ただただ飛行機に乗って爆弾を落としていく、そういった存在に映っている。自分達がなぜ、このような仕打ちを受けなければいけないのかと」
ガザに住む11歳の少女
「生まれてから11年間、ずっと怖い思いをして過ごしてきました。今も家から逃げて路上で生活していますが、ここにいてもユダヤ人に空爆されます」
一方、イスラエル・テルアビブの空港では国外から続々とイスラエル人が到着しています。イスラエルは予備役36万人を招集しています。男女ともに徴兵制があるイスラエル。女性も24歳以下まで予備役の対象となります。
予備役の招集に応じた女性
「軍に加勢することが最善の選択だと思いました。戦闘兵の女性もたくさんいます」
番組の取材に応じてくれた、ゾハールさん。恋人とともに招集に応じました。実はこの2人、ハマスの襲撃があった野外音楽祭に、友人と参加していました。
予備役の招集に応じた女性
「テロリストが人々を銃撃しているのを目の当たりにしました。道路の近くで人々を撃っていました。そして7メートルくらい離れたところから私に銃口を向け撃ってきました」
2人が乗っていた車には、銃弾の跡が生々しく残っています。一緒に参加してた友人の安否は、今もわかっていません。
予備役の招集に応じた女性
「国を助けるチャンスです。軍が最善を尽くせるよう助けたいです」
イスラエルとパレスチナ双方の死者は、少なくとも3500人。負傷者は13000人を超えています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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