龍馬ゆかりの宿が閉館 役割は“ファンの待ち合わせの場所”(2022年2月28日)
土佐藩出身の幕末の英雄・坂本龍馬。高知市にあるゆかりの深い旅館が、たくさんのファンに見守られながら営業を終えました。
生前、坂本龍馬が暮らした屋敷の跡地に建つ旅館「龍馬の宿 南水」。
最後の客を送り出した朝、催されたセレモニーではたくさんの花束が贈られました。割れんばかりの喝采(かっさい)。多くの人に愛されてきたようです。
1999年に経営を引き継いだ社長の宮村耕資さん。体調の悪化と後継者がいないことから、閉館を決意しました。
宮村耕資社長:「もともとは龍馬の生誕地ということを知って、父が南水を購入したというわけではなかった」
先代の父が南水の経営を始めたのは1982年。その時は、ここが龍馬の屋敷の跡だとは知りませんでした。
史実が分かったのはおよそ12年後。それからは数々の著名人も足を運ぶようになりました。
宮村耕資社長:「会食でお越し頂いた布袋寅泰さん。(布袋さんは)『高知と言ったら龍馬やなー』と。『高知に来てみて、初めて龍馬に対する気づきと関心を高めることができた』と」
ロビーに設けられた「龍馬サロン」。龍馬が新婚旅行のことを姉に伝えた手紙などが展示されています。
龍馬の世界に浸れるこの空間は、この旅館の大きな魅力の一つです。
しかし、長年の利用客にとって本当に大切なものは別なところにもありました。
利用客:「きょうは同じような思いで大勢の方がおいでになるようで、お会いするのも久々ですから楽しみです。そういった場所でもあるので、(閉館は)なおさら残念な思いです」「僕たちはいつもここに来て、いつもここからスタートしていたのが本当になくなるということ。南水の最後に泊まれたというのは、来られたことも幸せだし、南水自体にお世話になりました」
宮村耕資社長:「(Q.龍馬とは?)自分の事じゃなくして、藩の事じゃなくして、日本という国づくりに奔走した、大きな国家論を持ちながら働きを示した偉人」
旅館としての役割を超えて、全国の「龍馬推し」の待ち合わせ場所だった南水。
今後、どうなっていくのかは現時点で決まっていません。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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