震度1以上地震なしで「津波」観測… 原因は“海底地すべり”か 専門家が指摘(2023年10月9日)
9日朝、千葉県をはじめ、高知県や沖縄県など太平洋沿岸の広い地域に一時、津波注意報が出されました。震度1以上の地震の観測がないなか、なぜ津波が発生したのか。専門家は“海底地すべり”が起きた可能性を指摘しています。
■千葉から沖縄 一時“津波注意報”
朝、八丈島で撮影された映像です。波が渦巻き、転覆した赤い船が巻き込まれていきます。
消防:「津波注意報が発表されております。海岸から離れて下さい」
午前6時すぎから午前8時ごろにかけて、伊豆諸島や千葉県沿岸部で観測された津波。正午ごろまで津波注意報が出されました。
元気象庁長官 西出則武氏:「これはなかなか衝撃的ですよね。結構流れが強いんですよね。流れが強くて、入ってきた波が渦巻いて、それに巻き込まれて船が転覆した。次は怖いのは、それ(潮)が引いていくわけですよね。その時ずーっと引きずり込まれて海に引っ張られていく。こういう状況が続いているのは危険なんで、(津波)注意報は解除できない」
今回の津波、鳥島近海で発生した地震が影響したものとみられています。ただ、その地震の規模は不明。そして震度はこの時間帯、1以上観測されていません。
■後から「注意報」発表 異例事態
朝、会見を開いた気象庁は今回の津波は珍しい事例だといいます。
気象庁 地震火山部管理課 下山利浩地震情報企画官:「マグニチュードいくつの地震が発生したかということをもとに(津波の)予測をしているので、今回それが決まらないので予測は難しい状況になっている」
異例だったのは注意報が発表される前に津波が観測されたことです。津波注意報が発表されたのは午前6時40分。ただ、その15分前にはすでに八丈島で40センチの津波が観測される事態になっていたのです。
通常、津波注意報や警報は地震の震源地・深さ・規模を特定することで、津波の予測を立てます。しかし、9日の場合、その地震の詳細が不明のため予測を立てることができず、実際に発生した津波をもって注意報を発表する状況になったといいます。
元気象庁長官 西出則武氏:「少なくとも普通の地震ではない」
■海底地すべりか 専門家が指摘
今回の地震の震源地である鳥島近海。この地域、先週からマグニチュード6クラスの地震が頻発しているのです。海の中で何が起きているのでしょうか。
元気象庁長官 西出則武氏:「一つ考えられるのは海底地すべり。可能性はある」
一連の地震活動によって海底に堆積物などが滑り落ち、その力で海面が上下して津波が発生するという海底地すべり。
元気象庁長官 西出則武氏:「もう一つは、火山活動はどうなんだろうというのはある。実際には噴火していないと思うが、噴火していなくても海底を持ち上げたり下げたりするような活動があるのかもしれない」
懸念されるのは、南海トラフ地震への影響ですが…。
元気象庁長官 西出則武氏:「何百キロも離れている南海トラフに影響を与えるとは到底、考えられない」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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