「30~45歳が共感できない」米大統領選へ向け“前哨戦”も…漂う“しらけムード”(2023年9月28日)
アメリカの大統領選まで、まもなく1年。早くも“前哨戦”が始まっています。
共和党のトランプ前大統領は27日、中西部ミシガン州を訪れました。この日は本来、FOXビジネスが主催した、共和党候補の第2回討論会に出席するはずでしたが、前回に続いて、またも欠席です。支持率はデサンティス氏らを大きく引き離し、ぶっちぎりのトップ。党内の挑戦者は相手にしていません。見据えているのは来年11月の本選だけです。
共和党 トランプ前大統領:「私が描くのは、外国人ではなく、アメリカ人労働者を守る未来。外国の利益よりも、アメリカン・ドリームを優先する未来。アメリカ人労働者の賃金を引き上げ、産業を強化する未来です」
ミシガン州は、トランプ大統領誕生の原動力となった労働者が多い場所です。そこで今、労働者たちの不満が噴出。自動車メーカーの労働組合が賃金40%アップを求め、ストライキを展開しています。
その現場に26日、バイデン大統領が乗り込みました。現職の大統領がストライキに参加するのは、初めてのことです。
民主党 バイデン大統領:「この国を築いたのはウォール街ではなく、中間層です。中間層を作ったのは組合です。頑張りましょう。皆さんには今よりももっと多くの見返りを受け取る権利がある」
中間層の拡大を掲げるバイデン大統領ですが、旗色がいいとは言えません。長引くインフレで生活は厳しく、7割以上の人が「経済はうまくいっていない」と考えています。
ストライキ参加者:「インフレと生活費の高騰が続くなかでは、賃金が足りません。ストライキで改善してほしい」「去年は物価が8%以上も上がって、賃金が追いついていません」
自動車メーカーの労組は元々、民主党の支持基盤ですが、今回はまだ態度を明らかにしていません。背景にあるのは、バイデン大統領が打ち出しているEV(電気自動車)シフトへの懸念です。政権は、巨額の補助金を投入し、EVの促進を図っていますが、ガソリン車に比べて部品が少なく、雇用が減るのではとの声が広がっています。
全米自動車労働組合 フェイン会長:「EVへの移行は重要ですが、我々が求める基準であってほしい。『底辺への競争』になってはいけません」
トランプ氏にとって、EVシフトは絶好のターゲットです。
共和党 トランプ前大統領:「バイデンは電気自動車を義務化して、アメリカの自動車産業の息の根を止める気です」
脅しのようなEV批判が浸透していけば、トランプ氏有利に傾きます。
自動車関係労働者:「EVは燃料依存度が低いし維持費も安いけど、小規模な工場が淘汰されてしまう」
支持率では互角の現職と前任者。ただ、ともに高齢であり、2020年と同じ顔合わせであることから“しらけムード”があることは否定できません。フォードの工場で務めるポークリフカさん(36)は、どちらにも投票する気はないといいます。
ポークリフカさん:「70~80歳の人が出馬したとして、主な支持層である30~45歳に共感できるわけがありません。『私なら国を動かせる』と約束なんてできるわけない。『前回の選挙で勝っていた』なんてトランプの話は聞きたくない。負けたんでしょと。『リベンジしたいから再出馬した』なんて言わずに、私や国民のためにどうするのかを語ってほしい」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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