何が変わる?「インボイス制度」開始へ “負担増”で反対の声も 売上げ1000万円以下の事業者に迫られる判断【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG
10月から始まる「インボイス制度」。事業者間の取引で発生する税率や税額を明確にしようというのが導入の意義ですが、反対のオンライン署名は52万筆を超えました。何が変わるのでしょうか。解説です。
■「インボイス」とは?誰に影響?
良原安美キャスター:
インボイスは、事業者間で取引をした商品などの、消費税の税率や税額などを記載した請求書(適格請求書)のことです。仕入れにかかった税率が8%なのか10%なのかや、税額を厳格化し、正確に差し引くための仕組みとなっています。
たとえば、卸売業者が酒店に1100円でお酒を販売します。すると、卸売業者は100円を納税します。
次に、酒店が消費者に3300円でお酒を売るとします。このとき、酒店が支払う納税額というのは、受け取った税-支払った税ですので、300円-100円で200円を納税します。
そして、消費者は300円を負担するということになります。
この事業者間で発生する税率や税額を明確化しようというのが、インボイス制度導入の意味です。
■着々と進むインボイス対応…低迷していたハンコ業界に“特需”も
導入による変化は、すでに身近なところでも起きているようです。円滑な導入は進んでいくのでしょうか。
都内の至るところに「インボイス対応」を示す文字が。着々と準備が進んでいます。
コンビニで買い物をすると、レシートにはTから始まる13桁の文字が書かれています。
この番号こそが、インボイスに登録した事業者が取得する「登録番号」です。インボイス導入で必要となったこの番号、思わぬ特需を生んでいます。
“脱ハンコ”で低迷していたハンコ業界は、8月から大忙しに。登録番号を印字できるレジへの切り替えが間に合わない事業者から、ゴム印の注文が殺到しているといいます。
吉報堂 小嶋茂男社長
「製造でいっぱいいっぱいで、出荷がなかなかできないような状態です」
■インボイス制度導入に反対するデモや署名も活発…懸念のワケは?
一方、インボイス制度導入に反対する人も。
制度導入まで1週間をきった9月25日、総理官邸前には約1000人が集まりました。さらに、反対のオンライン署名は52万筆を超え、過去最多に。
最も懸念しているのは、これまで消費税の納税が免除されてきた、売上1000万円以下の事業者です。インボイスを発行するためには、消費税を納める課税事業者になる必要があり、判断を迫られているのです。
今後も消費税の免除を受けることもできますが、この場合、取引先は仕入れにかかった消費税額を差し引けなくなり、その分を“肩代わり”することになるため、負担を嫌って取引が打ち切られる懸念もあります。
<免税事業者> 建設業
「3分の1くらいの会社とお取引がなくなるかもしれませんけれども、インボイスに入っている人を優先に今後はお取引しますと言われました」
<課税に転換> フリーライター
「まさに私自身、死活問題で、先がはっきり見えないという不安が大きいです」
反対の声を受け、鈴木財務大臣は、丁寧な説明を続ける姿勢を強調します。
鈴木俊一 財務大臣
「事業者の立場に立って、寄り添って進めていくことが大切なんじゃないかと思います」
政府は、免税事業者がインボイスに登録した場合は、3年間にわたり納税額を軽減するなどの負担軽減措置を設けます。
事業者からの反発の声は根強く、政府は、経済対策に影響を受ける事業者への支援策を盛り込み、インボイス制度の円滑な導入を目指しています。
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