ブリ「食べる文化ない」北海道で大漁…“極寒ブリ”ブランド化へ 北の海異変サケ激減【もっと知りたい!】(2023年9月27日)
北海道でほとんど取れていなかったブリの漁獲量が急増しています。「極寒ブリ」と命名され、ブランド化の動きも始まっています。
■「危機感」カキ・サケ漁獲量↓ 一方ブリは…
冬に向けておいしくなるのが、ぷりっぷりのカキ。しかし…。
厚岸観光協会 安藤義秀事務局長:「身が入ったカキがない。今までにないですね」
カキが特産の北海道厚岸町では、今シーズンカキが十分に成長しておらず、来週予定されていた「かき祭り」の延期が決定。
その一方で、大漁となった魚もありました。今、北海道をはじめとする北の海で異変が起きています。現場を取材しました。
番組スタッフが訪れたのは、北海道東部に位置する白糠町の漁港。定置網漁に同行させてもらいました。
北海道沖の定置網漁と言えばサケですが、網にかかったのは、ビチビチと力強く跳ねるブリです。別のポイントでも足場がブリで埋め尽くされるほどの大漁です。
とにかく力が強いブリ。船上のベテラン漁師たちも手を焼くほど。この日もブリの尾が、ベテラン漁師の頬をビンタ!
引き上げられた大量のブリ。そのまま船上で活締めされました。漁に出ておよそ3時間。この日、ブリの水揚げ量は2トンにも上りました。
木村漁業部 木村太朗社長:「きょうは少ない。メインのサケがまるっきりない。本当頭痛い」
白糠町では、10年前までブリの水揚げはほとんどありませんでしたが、今年は23トンと、この10年間で急増。一方で、サケの漁獲量は激減しているのです。日本近海の海水温の上昇により、ブリが過ごしやすい冷たい海水を求めて北上したことが原因と考えられています。
しかも北海道では、あまり馴染みのないブリは需要が低く、価格は本州の市場に比べて半値ほどの場合もあり、もうけは少なくなってしまいます。
木村社長:「最初は(ブリが取れて)喜んでたけど、今はサケがいなくなって危機感」
こうした事態を打開するべく、町を挙げた新たな取り組みが行われています。
■「極寒ブリ」ふるさと納税返礼品にブランド化
神前にお供えされたブリに祈りを捧げるのは、地元の漁業関係者たち。この日行われたのは、ブリ専門の水産加工場の落成式です。
白糠漁協 芦田廣康専務理事:「食べる文化が無かったんだよね。加工する技術も持っていなかったから」
白糠町は、東京都内のコンサルティング会社とタッグを組み、ふるさと納税の返礼品としてブリをブランド化して、売り出すことにしました。その名も「極寒ブリ」。
白糠沖で獲れたブリのなかでも、7キロ以上の大きい個体を船の上で活締め。鮮度が保たれていて、脂のりも抜群です。
棚野孝夫白糠町長:「“極寒ブリ”を白糠の将来に向けて、ブランド化した自慢の一品にして、消費者の皆さんに届けたい」
ふるさと納税でイクラやサケを出品し、全国4位の寄付金額が集まる白糠町。
棚野町長:「極寒ブリで、ふるさと納税がんばるぞ!」
■名店シェフも太鼓判 うまみ・脂のり◎
一体、どんな味なのでしょうか?
調理をお願いしたのは、東京・恵比寿の日本料理店「笹岡」。文化人・芸能人も通う名店です。ブリしゃぶと、照り焼きで頂きます。
照り焼きは脂の旨みがぎゅっと閉じ込められていて、身もふっくらしてます。甘辛のタレと、脂の甘い感じが絶妙に合います。
続いて、ブリしゃぶは、とろっとしていて口の中でどんどん溶けていきます。舌触りも良いです。優しい甘さです。
恵比寿 笹岡本店 笹岡隆次シェフ:「サイズがすごく大きいわけではないですが、うまみがギュッと詰まった、脂ののったおいしいブリ。上手に連絡を取って仕入れていけたら」
(「グッド!モーニング」2023年9月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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