3480円が24万円に…ロードサービス“高額請求”…被害訴える人に“共通点”【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年9月21日)
自動車トラブルの際に駆け付けてくれるロードサービスで高額請求を受ける被害が相次いでいます。ホームページには「基本料金3480円」と記載されていましたが、24万円請求された被害者もいました。
■現場にレッカー車ではなく…乗用車で
被害を訴える男性(20代):「怒りはありますし、法外な値段を請求されてるんで、許せない気持ちはありますね。詐欺じゃないの?とか、ぼったくりじゃないか?みたいな言われましたけど」
「法外な値段を請求された」と話すのは、大阪府に住む20代の男性。今年2月の朝、会社に行こうと車を運転中、突然、道路上にネコが飛び出してきました。とっさにハンドルを左に切ると、ネコは避けられたものの、標識に激突。自走できない状態になってしまいました。
被害を訴える男性:「ここが車が入ったあと、ぶつかったところです。エアバッグも全部出てきて。あとはエンジンも動かなくなって。だいぶ(頭が)真っ白になるというか、一瞬何が起こったか分からないというか」
警察に通報後、男性はスマートフォンでロードサービス会社を探します。
車の事故や故障の際に駆け付けるロードサービス。「大阪、レッカー」と検索すると、一番上に出てきたのが「基本料金3480円から」「最短10分」と書かれたレッカー業者でした。
被害を訴える男性:「安い値段、すぐ来ますとか書いてあって、ちょっと安心した部分もあって。名前も、それっぽい名前だったので」
男性が電話すると、業者は「神戸から向かうので、2時間半ほどかかります」「料金は8万円ほどになります」といったそうです。
ホームページで見た金額との違いや、神戸から事故現場の大阪・熊取町に2時間半かけて向かうなど、違和感を覚えたといいますが、相場も分からなかったため、男性は業者に作業を依頼しました。
結局、業者がやってきたのは3時間後。しかも、レッカー車ではなく乗用車に乗ってやってきたのです。
被害を訴える男性:「レッカー車が来ると思ってたんですけど、ちっちゃめの車に乗った大学生風の人が降りてきて。だいたいレッカーを僕はお願いしてるんで、それ(乗用車)で来られてもって感じではあるんですけど」
不審に思い、証拠を残すため動画を撮影し始めました。
その時に撮影された映像です。レッカー業者の男性は乗ってきたベージュの車を、事故を起こした男性の車のすぐ後ろに止め、車の下をのぞき込んでいる様子が確認できます。
「悪い予感」は、的中しました。
被害を訴える男性:「20万円はいかないですけど、14万円から20万円の間ではやらせてもらいますみたいな。次また呼ぶの2、3時間かかるのかなと思うと、結構道もふさいでいたので、ちょっと申し訳ないなという気持ちもあって」
すでに事故から3時間以上が経過し、その間ずっと道路をふさいでしまっていることもあり、そのまま作業を依頼しました。その結果…。
被害を訴える男性:「見せてきたのは、24万円ですっていうことやって」
■約1カ月後に…突然「10万円返金」を申し出
実際に、業者から受け取った請求書です。「基本料金3480円」の他に「レッカー車出動費4万6000円」や「車両運搬費7万7000円」など、いくつもの追加料金が並んでいます。
被害を訴える男性:「だいぶ最初との差がありすぎて、説明もされたんですけど。この1個1個が何万円とかになってくるんで。それがちょっともう『だいぶ高いな』と正直思った」
ホームページの基本料金3480円は、あれよあれよと追加料金が加わり、なんと24万円に。さらにホームページには「カードOK」の文字がありましたが、現金での支払いを求められたといいます。
被害を訴える男性:「『これ以上は…』『頑張ったんですけど』という感じやったんで。僕20万円しかおろしてなかったんで、コンビニでもう10万円ほどおろして」
結局、男性は現金で24万円を支払いました。
被害を訴える男性:「保険会社とか車屋さんに相談したときに、ちょっとそれおかしいぞということになって。その時に、僕はだまされたのかなと。やっと気づいたっていう感じです」
レッカー業者にだまされたと感じた男性は、弁護士や国民生活センターにも相談し、クーリングオフを希望する旨を業者に伝えたといいますが…。
被害を訴える男性:「クーリングオフをしたいんですけどと言ったら、向こうは『あ~』って濁す感じで」
その後も、男性らが業者に連絡を入れ続けると、およそ1カ月後に突然「10万円の返金」を申し出てきたといいます。
被害を訴える男性:「法外な値段を請求されているんで、許せない気持ちはありますね。弱っている人や気持ちが焦っている人につけ込むのが仕事っていうか、それでお金を稼いでいるのは、改めて恥ずかしいとか、思ってほしいなとは思いますね」
レッカー業者のホームページにあった神戸の住所に行ってみました。マンションのインターホンを押しても、応答はありませんでした。
郵便受けの上には「裁判所からの通知」や「弁護士からの郵便物」が無造作に置かれていました。男性の他にもトラブルを起こしていたのでしょうか。
さらに、当日対応したレッカー業者の男性に電話をかけると…。
当日対応した業者男性:「どういうことですか。僕は、もう関係ないんで。あの関わりたくないんで、大丈夫です」
業者の男性は「すでに自分は関係ない」とだけ話し、電話は切れてしまいました。
ホームぺージに記載のあるお客様ダイヤルに電話をしてみると、オペレーターの女性が電話に出ましたが、「担当者から折り返す」と話し、その後折り返しはありませんでした。
■“24万円”は適正?JAFなら価格は?
車のレッカー移動で24万円というのは、「適正な料金」なのでしょうか?
JAF市川基地を取材すると、先ほどのレッカー業者との明らかな違いが浮き彫りとなりました。
取材中、要請が入ったのはパンク修理やバッテリー交換など3件。どれもレッカー車で現場に向かっています。
JAFによると、どこの現場にも、いかなる状況にも対応できるよう、原則、レッカー車で向かうといいます。
また料金については、次のように話します。
JAF千葉支部ロードサービス課 越智寛之班長:「基本料金が8380円、作業料金が4750円、合わせまして1万3130円からプラスしまして、1キロごとに730円の牽引(けんいん)料が発生します」
牽引する距離にもよりますが、2万円ほどで済むケースが多いといい、レッカー業者が請求した24万円という料金は、JAFと比べてはるかに高いことが分かります。
急激に増えているロードサービスの高額請求トラブル。国民生活センターも、注意を呼び掛けていますが、なかには逮捕者も出ています。
車のバッテリー交換を依頼した男性に対し、契約の解除に関する事実を故意に伝えなかったなどの容疑で、ロードサービス会社の社長ら5人が20日に逮捕されました。
この会社は、低価格をうたったネット広告を表示していましたが、実際の請求は、広告よりも高額だったといいます。さらに、ネット検索でこの会社が上位に表示される仕組みを管理していたとみられています。
■パンク修理19万円…担当者を取材
都内に住む男性も、ネット検索で上位に表示されたロードサービス業者から高額な請求をされたといいます。
被害を訴える男性:「やっぱり思い出すと悲しくなりますよね。この日は一生、忘れられないので…」
今年3月、家族と外出した男性は、運転中に車がパンクし、走行できなくなりました。
男性は保険に加入していましたが、突然のトラブルで気が動転していたことと、とにかく早く家に帰りたいという思いからスマートフォンで「タイヤ」「パンク修理」と検索。すると一番上に出てきたのが、「パンク修理2480円~」「最短10分」と書かれた業者でした。
被害を訴える男性:「やっぱり安いですし、すぐ来るっていうところで頼みましたね。『もう、ここでいいや』みたいな感じで」
その後やってきた業者はパンクした車を見て、「その場では直すことができない」「近くの修理工場まで、移動が必要」と口にしたといいます。
実際に業者から受け取った請求書です。「基本料金2480円」の他に、「緊急対応費3万9200円」や「フルフラット積載3万4000円」など、いくつもの料金が追加され、合計金額は18万7000円にもふくれ上がっていました。
被害を訴える男性:「その当時は、仕方ないのかなと思いましたけど。よくよく冷静になって考えてみたら、『ちょっと高いよな』っていうところはあった」
パンク修理でおよそ19万円。あまりにも法外な金額を請求した業者に、私たちが連絡すると、担当者を名乗る男性が取材に応じました。
業者:「基本的には、現地で作業に入る前に見積もりを出させていただいて、よろしければ作業に入るという形は徹底しています。電話口で対応させていただくなかで『2480円で作業ができます』という形では、一切お答えしておりません。『作業代金は、あくまで別途になります』と説明させていただいたうえでの出動を基本としております。相場より高いとなるところもあると思いますが、あくまで一般のロードサービス業であれば、だいたいこのくらいの料金にはなってくるかと思います」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年9月21日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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