「ウニ軍艦」回転寿司から消える?仕入れ価格高騰…厄介者“スカスカウニ”を野菜で!?【もっと知りたい!】(2023年9月14日)

「ウニ軍艦」回転寿司から消える?仕入れ価格高騰…厄介者“スカスカウニ”を野菜で!?【もっと知りたい!】(2023年9月14日)

「ウニ軍艦」回転寿司から消える?仕入れ価格高騰…厄介者“スカスカウニ”を野菜で!?【もっと知りたい!】(2023年9月14日)

 仕入れ価格の高騰で、回転寿司の定番メニューから「ウニ軍艦」が消えつつあります。そんななか、安くておいしいウニを届ける取り組みを取材しました。

■くら寿司「定番メニューで出すのは難しい状況」

 客:「知らなかった」「全然気づかなかった」

 濃厚でとろけるような食感が魅力の高級食材・ウニ。回転ずしチェーンでも人気商品のはずですが…。

 くら寿司 広報部 藤原悠さん:「(ウニは)定番メニューから今は外しております」

 実は、「くら寿司」では5年前から期間限定のフェアなどでしかウニを提供していません。

 他の大手回転寿司チェーンでも、「かっぱ寿司」以外は、ウニが定番メニューから外されていました。その理由について聞いてみると…。

 藤原さん:「価格の高騰により定番メニューで常にお出しするのが難しい状況」

 店側が挙げたのが「価格の問題」。「はま寿司」も価格面を理由に挙げています。

 回転寿司などで使われる冷凍ウニのおよそ9割がチリ産と言われています。しかし、燃料費や人件費の上昇で価格が高騰しているのです。

■1万円食べ放題 過去最高は“ウニを35貫食べた客”

 そんななか、驚きの店がありました。

 銀座の一角にあるお寿司屋さん「銀座のみこ寿司」。よく見てみると、大量のウニが並んでいます。

 客の目当ては、もちろん…。

 客:「ウニを」「ウニです」
 客:「ウニです」
 客:「もちろんウニ」

 半年前にオープンした「銀座のみこ寿司」。正午と午後2時に、90分1人1万円で食べ放題を実施しています。高級食材のウニは一番人気です。

 どんどんとウニの注文が入っていきます。注文が入るごとに板前さんも惜しげもなく、てんこ盛りにウニを盛り付けていきます。

 30代:「(ウニを)15貫ぐらい」「(Q.1回に食べたウニの量としては?)きょうが多分一番じゃないですか」

 30代:「(ウニを)20貫くらい食べたと思いますね。これだけウニが食べられるって幸せです」

 過去にはウニを35貫食べた強者もいたといいます。

■約30万円分…豊洲市場で大量まとめ買い

 これだけ大盤振る舞いできるということは、激安のウニを使っているのでしょうか?仕入れをする中村社長について行くと…。

 みこ寿司 中村一之社長:「おはようございます。ウニ高いね、最近ね。だいぶ値段が高騰中」

 国産の一級品の海産物がそろう豊洲市場。ここでもウニは高騰中ですが…。

 中村社長:「じゃあ、これも全部ちょうだい、これも全部」

 中村社長は、北海道産のバフンウニや青森産のムラサキウニなど、国産をメインにおよそ30万円分。店舗にあった、ほぼすべてのウニを購入しました。

 中村社長:「これでもね、足りないかもしれないとヒヤヒヤしてます。毎日これだけ買っても、1日2日で使い切ってしまうから」

 状況に応じて産地や種類の違う複数のウニを仕入れ、毎日、提供しているといいます。

 しかし、仕入れにこれだけの費用をかけて、1万円の食べ放題で採算は取れるのでしょうか?

 中村社長:「正直(利益は)あんまり出ていないです。元々はIT企業の経営者もやっており、そっちで私の生活費は稼いでいる。飲食の寿司店の方は、ほぼ趣味で」

■廃棄野菜を使った“スカスカウニ”の再生養殖

 国内の漁獲量も減少し、高嶺の花になりつつあるウニ。一方で厄介者となっているウニもいます。

 鳥取市の海に大量発生したムラサキウニ。しかも、このウニは中身がスカスカで売り物にならないため、駆除の対象となっています。

 そこで、鳥取県が取り組んでいるのが…。

 鳥取県漁業調整課 西村美桜技師:「鳥取県ではウニの養殖を年に2回やってまして、春の養殖ではブロッコリーをメインに、秋はキャベツをメインに与えてます」

 地元JAの協力のもと廃棄野菜を与えて、スカスカのウニをおいしいウニにできないか、3年計画で試験飼育を行っています。

 ウニは雑食性で何でも食べます。ニンジンを与えた時の映像では、ニンジンをバリバリ食べているのが分かります。カボチャでも、ホウレンソウでもイチゴでも変わりません。

■大量生産や価格面で課題がまだある

 廃棄野菜を使ったウニの再生養殖。一体どんな味がするのでしょうか?

 キャベツを餌(えさ)にした“キャベツウニ”養殖の発明者に聞きました。

 神奈川県水産技術センター 臼井一茂主任研究員:「消費者の方にですね、試食会何回かやったのですけども。ウニを嫌いな方って磯臭さとか苦み、えぐみ、それが嫌なんですけど。それがほとんどないということで『まるでフルーツみたい』と言われた」

 地元スーパーで販売するなど商品化されているキャベツウニ。試食させてもらうと…。

 佐々木一真アナウンサー:「本当に甘いですね。ウニを食べた時の磯臭さとか苦みだとか一切なくて、本当に食べた瞬間にふわっとウニ独特の甘味が広がっていく感じ」

 大量生産や価格面で、まだ課題があるといいますが、廃棄野菜を使ったウニの再生養殖は広がりを見せています。

 臼井主任研究員:「国内100カ所以上で今、取り組みがされているんですね。せっかく高級食材ですからウニ、おいしいウニにしたいということで養殖。そのために海藻以外で野菜をあげると。そういう取り組みでどんどんいいものを作っていけば、消費者の方にもね、還元できる形になるかと思うんですよね」

(「グッド!モーニング」2023年9月14日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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