「夢を握りつぶされた彼らと、夢を諦めた僕」まるで対等のように…、ジャニーズ性加害問題 被害者の救済・補償は?【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

「夢を握りつぶされた彼らと、夢を諦めた僕」まるで対等のように…、ジャニーズ性加害問題 被害者の救済・補償は?【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

「夢を握りつぶされた彼らと、夢を諦めた僕」まるで対等のように…、ジャニーズ性加害問題 被害者の救済・補償は?【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、様々な問題を抱えたまま新体制となったジャニーズ事務所ですが、この先、最優先で取り組むべき課題が「被害者の救済・補償」です。

■被害者の救済・補償は? ジャニーズ性加害問題

日比麻音子キャスター:
新しい体制となったジャニーズ事務所ですが、9月7日の会見ではこのようなことが話されていました。

<ジャニー喜多川氏について>

井ノ原快彦さん
「なんてことをしてくれたんだと思っています。いい加減にしてほしい」

東山紀之 新社長
「やっていることは鬼畜の所業だと思っております」

<被害者の救済について>

東山紀之 新社長
「法を超えて救済、補償というものが必要だなと思っている」

ということで、被害者救済の委員会を新たに設置することが明らかになりました。

木目田裕弁護士は「(被害認定は)法的に厳密にするより、少し緩やかにしていきたい」とコメントしています。

具体的な金額や方法についてはこれから検討するということですが、この問題に対応していくとして、藤島ジュリー景子前社長は代表取締役として事務所に留まることも明らかになっています。

藤島ジュリー景子前社長
「叔父の起こした問題でございますので、姪としては責任を取りたい」

ジュリー氏が取締役に留任することに関して、ジャニーズ性加害問題当事者の会・平本淳也代表は「責任の取り方としては、辞めてどこか行ってしまうよりもはるかに良かった」と指摘しています。この先の要望として、平本代表は「被害者の声を取り入れて、救済案・補償案を出して欲しい」としています。

ただ9月4日、このような場面がありました。

――刑事事件で適切にやれば、皆さんが対応する以上の影響が…警察が…

被害を訴える男性の妻
「分かるんだけどさ。被害者なんだから苦しいの、みんな。生きるのだって精一杯。戦えっていうのは無理。死にたいぐらいに苦しいんだって!」

ジャニーズ性加害問題当事者の会 石丸志門 副代表
「自殺未遂を2回しています」

ジャニーズ性加害問題当事者の会 平本淳也 代表
「おじさんとキスしたことあります?舐められたことあります?忘れると思います?忘れないよね、絶対。(当事者の会は)そういう人たちです」

会見で元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんも、「心の傷が簡単に言えることはない」とも話していました。

■「夢を握りつぶされた彼らと、夢を諦めた僕」まるで対等のように…

今後の補償について、東山新社長は「夢を握りつぶされた彼らと、夢を諦めた僕と、しっかり対話するのがいいのかなと思っている」と話しています。

ただ、被害者の皆さんは補償や救済のために、何度も被害を思い出さなければならないということになります。ですから今後の対応は、どれだけ丁寧に真摯に向き合えるかが大切になってくるわけです。

産婦人科医 宋美玄さん:
そうですね、東山さんのその言葉「夢を握りつぶされた彼らと、夢を諦めた僕」って何かまるで対等のように聞こえるけれども、全然立場が違いますし、救済とか補償って言いますけど、本来、加害者側が救済を行うものではないし、救えるような簡単なものではないと思うので、先ほどの生の声もありましたけれども、本当に何十年も苦しい思いがこれからも続くと思うので、そのあたりの重みをちゃんとしっかり受け止めてほしいというふうに思いますよね。

井上貴博キャスター:
性被害についてなんですけど、性犯罪や人権侵害について海外は今ものすごく厳しいです。一方で日本は「まだ甘い」と指摘されているところがあって、今後、ジャニーズ事務所と各企業がどう向き合うのか、様々な動きが出ています。メディアがどう向き合うのかも含めてです。

ジャニーズ事務所が加害者の名前を冠した会社名を変えないという方針も、「解体的な出直し」という言葉を骨抜きにしてしまっているなと個人的には感じます。

産婦人科医 宋美玄さん:
例えば、輸出産業の企業にジャニーズのタレントを使っていたら、世界でも買ってくれる人がいないような時代になると思うので、広告も外れるという流れで追い詰められていくのかなと思います。

被害者の方からすると、加害者の名前そのものを冠してそれを使っていく姿勢が、被害者の方を向いていないと受け取られても仕方がないんじゃないかなと感じます。

井上キャスター:
この補償についても、法律を超えるっていう言葉って聞こえはいいですけど「ノールールになる」ということでもあって、ルールを作らないと公平性はどうやって担保するのか、証拠がない中でどうやっていくのか。

本来、補償を受けるべき人が受けられなくなるリスクもはらんでいる中で、誰がトップに立ってどういうルールを作ってどう牽引していくのかは全く見えない。そこも危うさはあるんじゃないかなとは感じます。

産婦人科医 宋美玄さん:
性被害全体に言えることですけど、明確な証拠はないことの方が多いけれども被害はすごく甚大で、でも心に中にあるのでそれを測ることはものすごく難しい。評価の基準から作っていかないと駄目だと思うので、絶対に第三者の目を入れないと駄目だと思います。

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