「類例のない文化的資産」イコモスが開発事業の撤回を要求、明治神宮外苑の再開発【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

「類例のない文化的資産」イコモスが開発事業の撤回を要求、明治神宮外苑の再開発【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

「類例のない文化的資産」イコモスが開発事業の撤回を要求、明治神宮外苑の再開発【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

再開発が行われている東京の明治神宮外苑について、ユネスコの諮問機関であるイコモスが「類例のない文化的資産」だとして事業の撤回を求めました。イコモスは何を問題視しているのでしょうか?

■神宮外苑再開発「撤回要求」ユネスコ諮問機関が警告

山内あゆキャスター:
イコモスは国際組織です。世界遺産のニュースなどで出てきますよね。ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関イコモスは世界遺産の審査・保護を行う機関です。

この国際機関が東京の明治神宮外苑の再開発事業に対して、「ヘリテージアラート」つまり文化的な遺産を守るべきだという警告を出したわけなんです。事業者、それから認可した東京都に対して、この再開発計画の撤回などを要求しました。

では一体どんな再開発事業なのか、そして何が目的なのか、この辺りについて見ていきましょう。

明治神宮外苑、上空からの様子です。国立競技場、そして、ヤクルトの本拠地である神宮球場、東京のラグビーの聖地とも言われる秩父宮ラグビー場。人気のイチョウ並木。絵画館、これが一体どうなるのか、モデル図を見てみます。

まず大きなビルを建て替えます。新たに2つのビルができます。神宮球場は大きく変わります、ホテルが併設されるようになるんですね。球場の位置変わっています。元々球場があった辺りに新しいラグビー場ができます。コンサートなども行えるような屋根付きのラグビー場になるそうです。

絵画館はこのまま。手前の緑地は少し緑を増やします。そして、緑の部分がイチョウ並木、つまりイチョウ並木は残るという計画なんですね。

今回のこの再開発の最大の目的は、老朽化したスタジアムの建て替え、スポーツの新たな拠点作りということなんです。実際の工事は今年の3月から始まっています。まずは取り壊しのところからで、完成予定は2036年。

そして、この再開発の中で伐採計画が出ているわけなんです。特にここが問題視されています。

活力が低下している樹木などは伐採し、まだ元気なものについては植え替える。さらには新しい木を植樹する予定。イチョウ並木は伐採せずに保全するということになっているんです。

それなのに、なぜ反対運動があるんでしょうか、まずは歴史から見ていきましょう。明治神宮外苑ができたのは1926年、約100年前のことです。スポーツ・文化施設・緑地・公園などからなるこの一帯は、多くの国民が木を提供したり、献金することによってできたという公園なんです。

この経過というのも、イコモスにとってはとても重要なことのようです。今回このイコモスの計画の中で「市民の献金と労働奉仕により作り出された世界の公園史でも、類例のない文化的資産」であるというふうに認定しているんです。

伐採や移植によって、環境が“完膚なきまでに破壊される”と指摘し、中止を求めているということなんです。

■「一部の事業者だけに利益」坂本龍一さん、村上春樹さんら著名人からも反対の声

井上貴博キャスター:
再開発をする上で木は伐採します。でも、最終的な樹木の総数は維持します、という配慮などをされているようですが、反対派化すると、やはり自然が壊されてしまうということ。

でも一つあるのは、この超一等地に、施設が老朽化している中でビジネスを成り立たせるためにどうすればいいのか。都市って生まれ変わるものだと思うので、どうアップデートしていくのかっていうのは、これは科学的な議論が必要なんじゃないかと個人的に思うんです。

産婦人科医 宋美玄さん:
そうですね。歴史と言い出すと、いつまでも維持するのは難しい面もあると思うんですね。木だっていつか寿命を迎えるわけですので。この辺りは本当に緑地が多くて生態系というのもここで成り立ってる部分とかもあるので、そういったことを壊さないという視点も大事とは思いますが、おっしゃるように、いつまでも古い建物で、空調とか屋根とかないまま使うわけにもいかないので。

私個人の意見ですけれども、整備計画でしたら一応並木も残るし、緑地も増えるということで、何かそこまですごい完膚なきまでに破壊されるっていう印象を受けないので、そのどのあたりがそうなのか、開発側とイコモスの意見を両方とも、もうちょっと詳しく聞いてみたい気はする。

山内あゆキャスター:
では、著名人の反対の声も見ていきましょう。有名な方では、今年3月に亡くなった音楽家の坂本龍一さん。生前からこの事業の見直しを求めて、小池都知事にも手紙を書いていました。亡くなる3日前まで反対を訴えていましたが、その主張の中では、再開発だと一部の事業者だけに利益が行く。ただ、この自然というのは誰もが享受するべきなのではないかという、そういった視点からの反対の手紙でした。

また、作家の村上春樹さん、ヤクルトファンで、神宮球場に大変思い入れのある方です。ラジオ番組では強く反対。そして当然、近隣住民からも反対の声は多くあります。

ではこのイコモスの撤回要求について、国と東京都はどう考えているんでしょうか。西村環境大臣「環境への最大限の配慮を行った事業を期待したい」。そして、小池都知事は「(環境…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230908-6108355)

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