食堂運営会社が経営難…給食提供できず混乱 他社でも同ケース起こる?専門家が指摘(2023年9月7日)
学校の給食事業などを展開している広島市の会社が突然営業を中止し、給食が提供できなくなっている。影響は全国に広がり、混乱が広がっている。
■広島の公立高校7校で給食提供停止
人の気配が全く感じられない調理室。
県立三次高校 高木優子事務部長:「全く予兆がなかったので、寝耳に水状態です」
今、広島では、7つの公立高校で給食の提供が止まっている。
高木事務部長:「委託会社さんのほうと、連絡がとれていない状況」
止まっている高校の1つ、広島県立三次高校では、今月1日から寮生60人への食事の提供が停止しているという。
委託をしていたのは、広島市に本社を置く食堂運営会社のホーユー。三次高校では急きょ、地元の業者へ協力を求め、弁当を提供するなど対応に追われている。
広島県立三次高校 男子生徒:「最初は、すごい急だったので、びっくりしました」
広島県立三次高校 女子生徒:「これからどうなるんだって気持ちでした」
■他県でも…少なくとも21都府県に影響か
給食が止まっているのは、広島だけではない。
静岡県 川勝平太知事:「青天のへきれきというか、びっくりしました。これだけ大きな組織であるところが雲隠れしたと」
静岡県でも、5つの学校で給食が止まり、およそ1000人に影響が出ている。
県立吉田特別支援学校 稲葉敏光校長:「(Q.ホーユーの担当者と最後に連絡が取れたのは?)30日にメールで調理員さんたちの検疫検査、便の検査であるとか、そういった検査結果を会社側から無事これでできますということで連絡いただいていたものですから」
吉田町にある特別支援学校では、先月30日を最後にホーユーと連絡が取れなくなっているという。
そして、5日から生徒・職員含め280人の給食が止まり、6日から弁当を持参してもらうことに切り替えた。
委託業者のホーユーは、全国で23の営業拠点を構えていて、7日以降、少なくとも21道府県の自治体で提供が止まり、影響が出る見込みだ。
■なぜ食事の提供が止まってしまった?
ホーユーの元従業員に話を聞いた。
元従業員:「会社の経理宛てに、関係業者から支払いが遅れているという問い合わせがあると時々聞いていた。自転車操業ではないかと感じる部分もあった」
元従業員によると、社長が地方を回り、安い入札を取ってくることも多く、できるか考えるのは後回しだったという。
なぜ、食事の提供が止まってしまったのか。6日、ホーユーの山浦芳樹社長は、こう取材に答えた。
山浦社長:「ソフトランディングするため関係各位と交渉してきたが、かなわなかったので苦渋の決断をした」
経営の継続が困難となり、現在、破産の準備手続きに入っているという。
経営難に陥った理由として挙げたのは「コストの高騰」だ。
山浦社長:「食材費や人件費が高騰している。ビジネスプランは崩壊している」
■給食業界全体でまだ起きる可能性も…
給食業界の事情について、学校給食・食育ジャーナリストの吉田達也氏は、次のように話す。
吉田氏:「やっぱり出てきてしまったなって…。もう切羽詰まってて、余裕がなかったのかなっていう気はします」
吉田氏は食材や光熱費の高騰など様々な要因が重なっているため、経営が危ぶまれる業者が出てしまうのではと危惧していたという。
吉田氏:「(Q.利益率って大体どれぐらいになるんですか?)10%あればいい方だと思いますよ」「(Q.10%ないこともあるんですか?)ないこともあります」
吉田氏によると、こうしたケースは給食業界全体でまだ起きる可能性があると指摘する。
吉田氏:「(業界全体で)事業を継続するための体力っていうのを、そぎ落としてる状況。ただならぬ危機です」
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年9月7日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く