元司法副長官に聞く “秘策”自身への恩赦はあるのか【トランプ氏起訴の行方1】(2023年9月7日)

元司法副長官に聞く “秘策”自身への恩赦はあるのか【トランプ氏起訴の行方1】(2023年9月7日)

元司法副長官に聞く “秘策”自身への恩赦はあるのか【トランプ氏起訴の行方1】(2023年9月7日)

米元司法副長官 ジョージタウン大学教授 ドナルド・エーアー氏:
「ニュースを見るだけでもわかるように、私たちは今、ユニークな状況にあります」
「非常に重大な犯罪で4度起訴された大統領候補が選挙に出馬したことはありません」

ジョージ・H・W・ブッシュ政権で司法副長官を務めたドナルド・エーアー氏は、異例尽くめのトランプ氏の裁判は「長期化する」とみています。

トランプ氏の陣営が狙っているのは、判決の期日を来年11月の大統領選挙の後に遅らせること。選挙への影響を最小限に抑え、大統領に返り咲く道筋を描いています。

米元司法副長官 ジョージタウン大学教授 ドナルド・エーアー氏:
「もし彼が選挙前に有罪判決を受けた場合、控訴するでしょう」
「控訴審は選挙前には終わらない。だからそのまま選挙に進むことになるでしょう」

もう1つ、トランプ氏の“秘策”として議論を呼んでいるものがあります。自分自身への「恩赦」です。「恩赦」とは、刑罰をなくしたり軽くしたりする特別な措置で、合衆国憲法では大統領にその権限があると定められています。

トランプ氏は、大統領に返り咲いたあかつきに自分自身に恩赦を与え、刑罰から逃れるのではないかという憶測が広がっているのです。ただ、そもそも自分に恩赦を与えることができるのかどうかは専門家の間でも見解が分かれています。

米元司法副長官 ジョージタウン大学教授 ドナルド・エーアー氏:
「過去に例がないので、今ひとつはっきりしないのは、大統領が自身への恩赦権をもつのかどうかということです。自分への恩赦権があると考える人もいれば、ないと考える人もいます。ですから、その答えがどうなるかはわかりません」
「もし恩赦権を持っているのであれば、彼は自分自身を恩赦することができ、連邦法に関するすべての裁判はその場で終了することになります」

また、エーアー氏はその「恩赦」の適用範囲は限られているとも指摘します。

米元司法副長官 ジョージタウン大学教授 ドナルド・エーアー氏:
「恩赦は連邦法のみに適用されます」
「(トランプ氏が)もし再選されたとしても、ジョージア州の件に関して大統領自身に恩赦を与える権限はないでしょう。ジョージア州の事件は州の事件だからです。我が国の仕組み上、州政府と連邦政府は別物ですから」

4度の起訴を追い風に変え、来年の大統領選挙で共和党・最有力候補の道をひた走るトランプ氏。その“強さ”が試される法廷闘争がこれから本格的に始まります。

米元司法副長官 ジョージタウン大学教授 ドナルド・エーアー氏:
「最終的にどうなるかを見守る必要がありますが、連邦裁判所では、トランプ氏は自分を権力者としての姿を見せる機会はないでしょう。それが明らかになれば、すべての人とは言わないが、彼の支持者の中には熱意を失う人も出てくるでしょう」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事