きょうも迷惑電話・SNSで不買運動 処理水放出で“嫌がらせ”発信者の言い分は…(2023年8月28日)

きょうも迷惑電話・SNSで不買運動 処理水放出で“嫌がらせ”発信者の言い分は…(2023年8月28日)

きょうも迷惑電話・SNSで不買運動 処理水放出で“嫌がらせ”発信者の言い分は…(2023年8月28日)

福島第一原発の処理水放出に対する嫌がらせが止まりません。

東京都・江戸川総合文化センターには24日以降、正体不明の迷惑電話が相次ぎました。中国の国番号『86』の文字がずらり。通信会社に依頼し、海外からの着信を制限する対策を取っている最中ですが、取材中にも電話が鳴ります。

多くが無言でしたが、なかには、明確に放出を非難するものもありました。
25日に録音された音声:「あなたたちはなぜ汚水を排出するのか。あなたたちはばか。なぜ排出するのか」
25日に録音された音声:「あなたは頭が悪いですか?なぜ核廃水を海に流すですか?ばか」

江戸川区総合文化センター・齋藤俊光館長:「『もしもし』と言えば、『もしもし』と答える。最後に知っている日本語をしゃべろうと思って『ばか』って言って切るというパターンが多かったかなと思います」

着信履歴から、電話をかけてみました。
電話したとみられる人物:「SNSで呼び掛けているので、わざと電話しました。日本は処理水にお金を使いたくないのです。日本はアメリカの犬です」
電話したとみられる人物:「番号は友だちにもらったもの。好奇心でかけてみただけ。(処理水放出は)仕方がない」

東京電力には、24日から27日にかけて、中国の国番号『86』から、6000件以上の電話が。福島県庁には、27日までの4日間で、約1000件の電話がありました。

東電は、毎日行っているモニタリングの結果を28日も公表。4日連続で、国の安全基準を大きく下回っているとしています。さらに、福島第一原発から1年間で放出される予定のトリチウム、約22兆ベクレル未満。2年前、中国の陽江原発から放出されたトリチウムの量は112兆ベクレルと、5倍ほどになっています。こうしたデータがあっても、中国が水産物の“全面禁輸”を解除する見通しは立っていません。

カニカマを作り続けて50年余りの歴史を持つ『スギヨ』。輸出額の7割ほどを中国が占めています。先週、処理水の放出が始まってすぐに取引先から“輸入停止”の連絡がありました。
スギヨ・臼池忠幸取締役:「(Q.行き場を失っているのは何ケース)300ケースぐらい。海の上にあるもの、ほかの倉庫にあるものもあります。合わせると1万ケースぐらい」

原材料は、アメリカから輸入。日本産ではありませんが、「商品の輸入はできない」と告げられました。
スギヨ・臼池忠幸取締役:「この状況が続くならば、中国向けの生産は止めないといけないということになると、工場の稼働もあるので、それなりの影響が出る」

一方、中国にある日本人学校では、石や卵が投げ込まれる被害が出ていて、日に日に警戒が強まっています。

海産物は、中国で欠かせない食材です。水揚げされた新鮮な魚たちが、市場を経て都会の飲食店へ。しかし、北京にある食材店では、先月あった『日本』を表す文字が消えています。
日本料理食材専門店:「(Q.このカニはどこの)山東省莱州。(Q.日本が処理水の放出を始めたが影響は)1日、2日では影響しない。(Q.今後、影響を受ける心配は)政府が必ず対策を出すから、今は心配していない」

SNSでも、日本の企業を羅列し、不買を呼び掛ける投稿が相次いでいます。中国の化粧品メーカーなども日本のブランド力が弱まっている今を商機ととらえ、中国製の商品を販売しようという思惑が垣間見えます。

SNSで、日本の処理水放出に賛成するような書き込みは、すぐに消されてしまうことが確認されています。中国では、政府の主張に反するような書き込みなどは、AIや手動で削除されます。一方で、日本への“嫌がらせ”が放置されているということは、基本的な主張が中国政府と合致しているということです。

28日も、中国外務省の会見で、日本のメディアから質問が飛びました。
中国外務省・汪文斌副報道局長:「(Q.中国の一部の人は日本に電話を掛けて日本人に嫌がらせをしています。こうした行為を直ちにやめるよう、、中国政府は呼び掛けないのでしょうか)おっしゃっている状況は把握していません。日本政府に対する批判や反対の姿勢は国際社会でも主流です。日本側はよく考えていただきたい」

岸田総理:「中国側に対しては、本日も駐日中国大使を招致し、中国国民に冷静で責任ある行動を呼び掛けるべきである旨、強く申し入れを行っているところです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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