処理水放出 中国が日本の水産物「禁輸」に…“北海道ブランド”に傷がつく可能性も 西村大臣「即時撤廃を求める」|TBS NEWS DIG
福島第一原発の処理水の放出後、中国が「日本の水産物の輸入を全面的に停止する」と発表。輸出業者からは「ブランドに傷がつく」と不安の声が上がっています。
全国各地から水産物が集まる、名古屋市の中央卸売市場。活気があふれていますが、漁業関係者からは。
漁業関係者
「(影響が)市場自体は今のところないが、今後どうなるのか心配」
きのう始まった福島第一原発の処理水放出による“風評被害”への不安です。
きょう、東京電力は原発近くで採取した海水に含まれるトリチウムの濃度などの調査結果を公表。トリチウムの濃度は、放出停止を判断するレベルを下回っていると発表しました。
廃炉完了まで、およそ30年続くと見込まれる海洋放出。きょう、西村経済産業大臣は。
西村経済産業大臣
「福島の復興のためには、廃炉を完遂しなければならない。廃炉にむけて大きな一歩を踏み出した」
一方、反発する中国が日本の水産物の輸入を全面的に停止したことについては。
西村経済産業大臣
「我が国として断じて受け入れられるものではありません。科学的根拠に基づいて即時撤廃を求めているところ」
中国が踏み切った“輸入停止”。北海道の水産物の輸出などを手がける会社は不安を口にします。
北海道スタイル 石井秀幸代表取締役
「恐怖ですよね。恐怖しかない。いつ解除されるか分からないと不安になる。大変な経済損失」
特に北海道産のホタテは中国で人気が高く、影響は計り知れないといいます。さらに、今回の措置で“北海道ブランド”に傷がつく可能性も懸念していました。
北海道スタイル 石井秀幸代表取締役
「今までは『買わせてください』ときてたわけですが、『買ってください』となったときに価格の毀損が生じる。ものすごい大きな被害」
処理水放出の影響は近隣国にも広がっています。中国では。
人々が奪い合っているのは塩。海洋汚染を懸念して、塩の買いだめの動きが広がっているのです。
記者
「北京市内のスーパーですが、塩の棚だけすっかりカラになってしまっています」
また、こんな声も聞かれました。
動画を撮影した男性
「日本の『核廃水』の放出を聞き、人々が海鮮を食べられるうちに食べようと買いに来ている」
そして香港では。
「地球を守れ!海を救え!」
日本総領事館前で3日連続、放出への抗議集会が行われています。
お隣、韓国では。
記者
「韓国を代表する水産物の市場ですが、ここで働く人たちは、魚介類の値下がりに苦しんでいるということです」
韓国でとれた、刺身が人気の魚クロソイが前の年の半額。アワビは4割近く、真鯛は7割も値下がりしました。処理水放出の影響を懸念する声が根強いため、値崩れにつながったという見方もあります。
こうした不安拡大の背景の1つとされるのが。
共に民主党 李在明代表
「日本の今回の核汚染水海洋投棄は人類に対する犯罪です。第二の太平洋戦争です」
きょうも抗議集会を開いた韓国・最大野党「共に民主党」。過激な表現で日本政府、そして放出を事実上容認した韓国政府を連日批判していますが、水産市場の店舗を束ねる会長は、「野党が風評被害を広げている」と憤りました。
鷺梁津水産市場 商人会 チャ・ドクホ会長
「互いに政治の争いばかりしていて、被害は国民が受けるというのが一番残念です」
韓国政府は今月から水産物に対する検査を強化するとともに、国民に冷静な対応を求めています。
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