処理水“海洋放出”「理解」は? 総理と全漁連会長が官邸で会談(2023年8月21日)
福島第一原発の処理水の海洋放出について今月中にも始める方向で最終調整するなか、岸田総理が全国漁業協同組合連合会の会長らと面会しました。漁業関係者の「理解」は得られたのでしょうか。
東京電力、福島第一原発で日々生じている処理水をいつ海に放出するのか。岸田総理大臣は21日午後、全漁連の坂本雅信会長らと会談。総理自ら理解を求めました。
岸田総理大臣:「廃炉、及びALPS処理水の放出を安全に完遂すること、また、漁業者の皆様が安心して生業を継続できるように必要な対策を取り続けることを、たとえ今後、数十年の長期にわたろうとも、全責任を持って対応することをお約束致します」
岸田総理は海洋放出が科学的根拠に基づき、安全性が確保されていることや風評被害対策、漁業継続への支援策など政府として万全を期す意向を伝えました。
全国漁業協同組合連合会 坂本雅信会長:「ALPS処理水の海洋放出に反対であるということはいささかも変わりはありません。しかし、一方で科学的な安全性への理解というものは私ども漁業者も深まってきた、そういうことでございます」
政府や東京電力の計画では、放射性物質「トリチウム」が残った処理水に大量の海水を混ぜてトリチウムの濃度を国が定めた安全基準の40分の1未満にしたうえで、沖合およそ1キロの海底から放出します。
この海洋放出の安全性を検証してきたIAEAは先月、国際安全基準に合致すると結論付ける報告書を公表しました。
全国漁業協同組合連合会 坂本雅信会長:「本日の総理の発言、たとえ数十年にわたっても国が全責任を持って対応をしていく、そういう非常に重い発言だと私ども受け止めております」
政府と東京電力は2015年に「関係者の理解なしには処理水のいかなる処分もしない」と福島県漁連に約束していますが。
全国漁業協同組合連合会 坂本雅信会長:「約束というのは破られてはいないけれど、しかし果たされてもいない、そういうように思っております。放流が行われるんだと思いますけれども、放流が行われて最終的に廃炉まで持っていった、そこの中で漁業者がしっかりと漁業を継続できたと。その時に初めて100%の理解というものが生まれるものだと思っています」「(Q.放出されてもやむなしという理解になった?)違います。我々が喜んで『いいですよ』というわけはありません」
岸田総理は22日、関係閣僚会議を開いて処理水をいつ放出するのか、具体的な時期を決める方針です。今月中に放出を始めることで調整しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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