台風6号 宮崎で記録的大雨“24時間で1カ月分” 鹿児島に線状降水帯(2023年8月9日)
台風6号は九州に最接近し、暴風域に巻き込みながら北上しています。鹿児島で瞬間的に40メートルを超える非常に強い風を観測しました。宮崎では、降り始めからの雨量が800ミリを超える記録的な大雨となっています。
■“24時間で1カ月分”停電も
九州は大荒れになりました。自転車並みのゆっくりとしたスピードで、9日午前にかけて九州南部に近付いた台風6号。現在、九州の西の海上を北へ進んでいます。
8日夜から、暴風域に入った鹿児島県枕崎市。瞬間的に40メートルを超える風が吹きました。信号機は支柱が折れ…道路をふさぎます。別の信号機からは明かりが消えました。市内で停電が起こり、市役所では職員が暗闇のなか仕事を進めます。問題は山積みだといいます。
枕崎市役所 山口太総務課長:「まずは空調が付けられないので暑いということと、パソコンが使える部署が少なくなっているし、来庁者はいないが住民票など証明書関係が出せない状況で困っている」
枕崎市では、9日午後3時までに1300軒余りで…鹿児島全体では1万2000軒以上で停電が続いています。
9日朝、台風が最接近した宮崎県都城市。雨に加えて風も強くなる一方です。川には異変が起きていました。都城市内を流れる沖水川という河ですが、かなり増水して一部はあふれてしまっています。茶色く濁った川の水が河川敷、そして、遊歩道をのみ込んでしまっています。
住民:「怖い。この川だから」「(Q.本来の川の様子は?)もうちょっと水かさが少ない。こんなになるのはめったにない」
国道沿いを流れる沖水川。普段の景色は変わり果て…堤防のほとんどが見えなくなりました。宮崎県内では降り始めからの雨の量が880ミリを超えています。
すでに、水があふれた場所もあります。川から来た大量の水で、用水路は限界を突破…。田んぼも道路ものみ込みました。冠水した道に近付く車…先に進むのを諦めました。水は近くの住宅にまで押し寄せ…被害を食い止めようと排水作業が続きました。
降り続く大雨で、宮崎県内では土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況です。県内のほぼすべての自治体に避難指示が出されました。不安を抱え、避難所に身を寄せた住民…。
避難した人:「私が怖がりだから早くこちらに避難しといた方が良いわと思って」「年取った母親がいるので(川の)水かさが増えるってこともあるので避難してきた。川沿いに住んでいるから」
■屋久島で川氾濫&道路冠水も
九州本土からおよそ60キロの場所にある鹿児島県の屋久島…。気象庁は9日午前10時すぎ、種子島・屋久島地方に「線状降水帯」が発生したと発表。非常に激しい雨が降り続き、災害発生の危険度が高まっています。
屋久島町役場の関係者が安全な場所から撮影した映像です。川は茶色く濁り、水がうねるように流れています。屋久島町の永田地区では、川が氾濫しました。
撮影された現場の普段の様子です。その姿は一変…増水した川の水があふれ出し、公民館に押し寄せました。
屋久島町役場 笹川眞也さん:「永田地区の方は公民館が川のそばにあって、公民館の入り口付近まで水が上がってきて一時、車も動けない状態になっていた。風もあいまって横殴りの激しい雨が降り続いて、街の中にある大きい河川が増水、ところによっては氾濫をして床下浸水の被害が起きている」
屋久島町によると、住宅5軒が床下まで浸水。被害はさらに増える可能性があるといいます。屋久島町では避難指示が出ています。
■海大荒れ「キャンセル100件」
薩摩半島の西に位置する「甑島列島」も、9日午前、暴風域に入りました。青い海と、緑豊かな山々…国定公園にも指定された離島の風光明媚な景色は一変したといいます。
ホテル支配人:「木々が強風で揺れて白波がたち荒れています。8月3日くらいからキャンセルが始まって、きょうまでで100件くらい」
このホテルはキャンセルで空いた部屋を近隣住民の避難先として提供しています。
ホテル支配人:「怖いのでホテルに避難できないかと」「(Q.今何人くらい避難)きょうで20人くらい」
九州各地で雨風が強まっています。
観光地は閑古鳥状態です…。土産物店も肩を落としています。
土産物店:「忙しくなってくる時期。この時期に台風来るのは厳しいし悲しい。あす営業するかはまだ分からない。台風の状況次第」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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