日大の説明 警視庁と“食い違い” 元刑事と元検事は会見をどう見た?(2023年8月9日)

日大の説明 警視庁と“食い違い” 元刑事と元検事は会見をどう見た?(2023年8月9日)

日大の説明 警視庁と“食い違い” 元刑事と元検事は会見をどう見た?(2023年8月9日)

 日本大学アメフト部の違法薬物事件を巡って、大学が行った会見での説明が、警視庁が把握している経緯と食い違っていることが分かりました。一体どういうことなのか、元捜査員そして元検事に話を聞きました。

■日大の説明 警視庁と“食い違い”

 8日の日本大学の会見。捜査関係者が指摘したのは去年、大麻について警視庁に相談したというくだりです。

 日本大学 酒井健夫学長:「(去年)11月下旬に、アメリカンフットボール部に所属する学生1人から、大麻と思われるものを(去年)7月ごろに吸ったという自己申告が指導陣に対してありました。この申告についてアメリカンフットボール部としては、警察関係者に相談いたしましたが、本人からの申告のみで物的証拠がないことや、4カ月という期間が経過しており、吸ったとされるものが大麻かどうか確認できないことから、事実の立証は困難であるとの回答がございました」

 捜査関係者によりますと、警視庁が把握している経緯と食い違っているのは、まずここです。

 日本大学 酒井健夫学長:「警察関係者に相談いたしましたが」
 捜査関係者:「警察関係者というのをこちらで確認したら日大OBの警察のことで、個人的に連絡をしてきたにとどまっている」

 日大OBの警察官は管轄の警察署ではなく、薬物部門とも関係なかったといいます。そして、食い違いはこの部分でも。

 日本大学 酒井健夫学長:「物的証拠がないことや、4カ月という期間が経過しており、吸ったとされるものが大麻かどうか確認できないことから、事実の立証は困難であるとの回答がございました」
 捜査関係者:「そもそも相談内容が違うので、事実の立証困難などという話はしていない」

 相談内容が違うとは。

 捜査関係者:「相談内容としては『大麻を吸った学生がいる』ではなく『部員が大麻を吸っている内部告発があった』ときたので、それに対して相談を受けた日大OBの警察官が『警察に相談しなきゃダメだ』と伝えた」

 さらに…。

 日本大学 澤田康広副学長:「警察から言われたのは、もし大麻の所持等の犯罪事実が認められた場合、その者について自首をさせてほしいというようなことを言われました」
 捜査関係者:「『警察から事実なら自首させてほしいと言われた』と話しているそうだが、そんな事実はない。そもそも向こうが調査するので、大麻所持を確認したら出頭させますと言ってきた」

 これらの経緯の違いについて、日大に質問していますが、今のところ回答はありません。

■元刑事と元検事は会見どう見た?

 元刑事の佐々木氏に話を聞きました。

 元埼玉県警捜査1課刑事 佐々木成三さん:「『立証困難だ』というアドバイスを果たして警察はするだろうか?という違和感は感じました。立証は使用だけでなくて所持になると、その情報をもとに今回のように捜索・差し押さえを行って現物をおさえた、これは立証ができる。『立証困難ですよ』と警察が回答することは違和感を感じた。(警察は)そういった情報があった場合、事実確認は必ずしているはず」

 捜査関係者が日大の説明に対し、「経緯が違う」と指摘した理由については。

 元埼玉県警捜査1課刑事 佐々木成三さん:「(日大の説明は)警察に相談を受けたのに警察は何もしていないじゃないかと言われかねない内容になるので、そこを否定したかったのだと思います」

 また、会見では元検事の澤田副学長も加わった日大の調査で見つかった植物片と錠剤について、こう明かされました。

 日本大学 澤田康広副学長:「(植物片は)大麻のカスかもしれないとは思いました。大学本部において私の責任のもとで保管した」

 元検事の亀井弁護士は、こう話します。

 元大阪地検 検事 亀井正貴弁護士:「一般的に、大麻の所持(罪)が成立するためには大麻であることの認識、故意が必要です。大麻であることの認識は、絶対的に大麻であることまで必要ではなくて、『大麻かもしれない』という未必の故意でも成立します」

 発見から警察に連絡するまで11日間、日大側が植物片と錠剤を保管していたことについては。

 元大阪地検 検事 亀井正貴弁護士:「警察に届けるために短時間所持することは正当な理由はあると思うが、11日間所持するということについての正当性があるのだろうか。少なくとも大麻所持罪の嫌疑は受ける可能性はあります」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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