認知症患者 コロナと過酷な戦い・・・“SOS”出せず「二重苦、三重苦」(2022年2月22日)
東京では21日、新型コロナウイルスの新規感染者が1カ月ぶりに1万人を下回りました。しかし、自宅療養者は高止まりしていて、特に高齢者の間では、新たな問題が浮上しています。
■認知症患者「SOS」出せず
ひなた在宅クリニック山王・田代和馬院長:「診察に来ました。往診です」
男性(73):「きょう?」
田代院長:「コロナになっちゃったから往診です」
男性:「あ、そう。明日じゃなかったっけ?」
15日、医師が診療に訪れた男性は、新型コロナ陽性が確認された、73歳の一人暮らしの男性です。
田代院長:「きょう陽性って判明したのは、何て病気だか分かりますか?」
男性:「カイロの・・・あれじゃない、陽性じゃない」
田代院長:「基礎疾患に慢性腎不全で、血液透析をしているのと、認知症がある人で、病気のこともいまいち分かっていない。自分のSOSも、あまり外に出せない。自分が体調を崩したとしても、それを訴えられない。二重苦、三重苦があるような状況」
田代院長:「息苦しさは、ないですか?」
男性:「ないよ」
田代院長:「家のなかを歩くだけで、息がハアハアしないですか?」
男性:「しないよ」
軽度の認知症を患っている男性。自分の状態を正確に伝えられているのか分かりません。
■重症化するか瀬戸際に・・・
男性:「ビールも何にも入ってないからな」
田代院長:「何て言った?」
男性:「飲み物がなけりゃさ、眠れないんだよ」
田代院長:「ビール?今、ちょっとやめたほうがいいよね。体調が優れないから」
認知症を患うコロナ患者に対しては、聴診や血中酸素飽和度の数値の確認が非常に重要です。
田代院長:「中等症1だね。重症化するかしないか、瀬戸際のところです。僕たちが何とかしますから、安心して下さい」
この男性は、感染判明の翌日に入院することができました。
田代院長:「(患者は)デイサービスなどを利用してる人が多いので、基礎疾患として認知症があって、自分のことをうまく訴えられない人は結構多い」
■死者30人中・・・高齢者29人
21日、東京では、新たに8805人の感染が確認されました。
一日あたりの新規感染者数が1万人を下回るのは、先月24日以来、およそ1カ月ぶりです。
一方、亡くなった人の数は今年最多の30人。そのうち29人が、60代以上の高齢者でした。
(「グッド!モーニング」2022年2月22日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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