関西電力と中国電力 共同で山口・上関町に“中間貯蔵施設”検討 原発の「使用済み核燃料」処理問題

関西電力と中国電力 共同で山口・上関町に“中間貯蔵施設”検討 原発の「使用済み核燃料」処理問題

関西電力と中国電力 共同で山口・上関町に“中間貯蔵施設”検討 原発の「使用済み核燃料」処理問題

 これまで関西電力が頭を悩ませてきた原発を巡る、ある問題に急転直下、2日、大きな動きがー。

 中国電力の大瀬戸聡常務「当社と同様に中間貯蔵施設のニーズを有している関西電力株式会社との共同開発を前提に具体的な計画の検討を進めていきたい」

 関西電力は中国電力と共同で、原発で発生した使用済みの核燃料を一時的に保管する「中間貯蔵施設」を山口県内で建設できないか調査に乗り出す意向を明らかにしました。

 その関西電力では、7月28日、福井県にある高浜原発1号機を12年6か月ぶりに再稼働しました。これで7基ある原発のうち6基が稼働することになりましたが、使用済み核燃料を原発敷地内におけるスペースはすでに約8割が埋まっています。

 今後も、動かし続けるためには中間貯蔵施設を確保できるかが、大きなカギとなっていました。

 これまで関西電力は全ての原発が立地する福井県との間で、中間貯蔵施設を県外に設置すると約束し、今年の末までに候補地が決まらなければ、40年を超える3基は運転しないとしていました。

 期限まで残り半年となった6月、関西電力が福井県に示したのは実証実験のために、使用済み核燃料の一部をフランスに運び出すという計画でした。しかし、その量は約200トンと、全体のわずか5%ほどに過ぎません。

 関西電力が「福井県との約束は果たされた」とする一方、地元の福井県からは「お茶を濁しただけだ」と対応を疑問視する声も上がっていました。

 そんな中、この日午前9時前、中国電力の大瀬戸聡常務らは山口県の上関町役場を訪れました。

 役場の前では「使用済核燃料おことわり」と書かれた横断幕を掲げる住民らと一時、もみ合いになる場面もー。

 「お帰りください」「使用済み核燃料はお断りです」

 中国電力は、上関町内への使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設を西哲夫町長に提案しました。

 西哲夫町長「中間貯蔵施設を関西電力と共同で建設に向けてボーリング調査をしたいという申し出です」

 午後2時から会見を開いた中国電力はー。

 中国電力の大瀬戸常務「共同建設で負担すると発電費軽減につながる経済的・合理的な取り組み。今回の共同開発は、当社から関西電力に提案した」

 一方、関西電力は「原子力発電所の将来の安定運転に必要な使用済燃料の搬出容量を確保するため、引き続き、あらゆる可能性を追求して最大限取り組んでまいります」とコメントしています。

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