「切断には事前相談が必要か」なぜ同じ容疑で逮捕?父娘逮捕 札幌“頭部切断遺体”(2023年7月24日)

「切断には事前相談が必要か」なぜ同じ容疑で逮捕?父娘逮捕 札幌“頭部切断遺体”(2023年7月24日)

「切断には事前相談が必要か」なぜ同じ容疑で逮捕?父娘逮捕 札幌“頭部切断遺体”(2023年7月24日)

今月2日、札幌・すすきののホテルで、首を切断された男性の遺体が見つかった事件で、田村瑠奈容疑者(29)と、その父親・修容疑者(59)が、死体損壊や死体遺棄などの疑いで逮捕されました。2人の認否は明らかにされていません。

修容疑者は、札幌市内の勤医協中央病院に勤務していて、精神科の科長を務めていました。

勤医協中央病院:「私どもも全く事情が分からない状況で、報道されている内容以外に情報がなく、ただ驚いているところです」

修容疑者の印象について、近所の人は…。

近隣住民:「優しそうで、ちゃんとしてる人っぽくて。目と目がもしも合ってね、無視するとかなくて。声が聞こえなくても、ちゃんとあいさつしてくれるし。(Q.会釈をする)いい感じの普通の人。職業も聞いたことないけど、奥さん働いてないし、穏やかだから『裕福そうだな』って勝手に。海外旅行も行ったって言ってるし」

ただ、この数カ月、様子に変化があったといいます。

近隣住民:「だいたい(家に)10分ぐらいしかいない。帰ってきたと思ったら、またすぐどこかへ行く」

最後に見かけたのは3日前でした。

近隣住民:「だいたい車の中に入っていて、家の中じゃなくて、車から降りない。(Q.何時ごろだった)(午後)6時50分ぐらいから。その時は長かった。10時ぐらいまで。(車内で)テレビ観てる時もあるし、ライトつけてる時もあるから。(Q.頭にライトを)本を見ているのか何だか知らないけど、ソーラー電池みたいなのを車の上に4つぐらい置いて」

事件は今月1日夜から2日未明かけて、週末でにぎわう、夜のススキノで起きました。ホテルの一室で見つかったのは頭部のない男性の遺体。その後、恵庭市に住む62歳の会社員と確認されました。

遺体は浴室にうずくまった状態で発見され、身を守る際にできる傷もありませんでした。抵抗する間もなく殺害され、刃物のようなもので首を切断されたとみられています。

警察が追っていたのは、男性と一緒にホテルに入った人物の行方。この人物が、瑠奈容疑者とみられています。

男性は、1日午後4時から午後10時まで、ホテル近くで開かれていたディスコイベントに参加していたことが分かっています。イベント終わりの午後10時25分ごろ、近くのビルに設置された防犯カメラには、男性の歩く姿が映っていました。10分後、誰かと5分ほど会話をして、2人でホテルの方向に向かう様子が映っていたといいます。

ホテルに入ったのは午後11時ごろ。瑠奈容疑者とみられる人物は、白い服装で黒いスーツケースを引いていました。3時間後の午前2時ごろ、フロントに女性とみられる声で「1人で先に出る」と電話をかけると、ホテルを出ていったといいます。服の色は白から黒に変わっていて、男性の身分証や携帯電話などは室内に残されていませんでした。頭部と共にスーツケースで持ち去ったとみられています。

ホテルを出た瑠奈容疑者とみられる人物は、現場周辺の防犯カメラによると、南へ向かっています。その後、再びホテルの前に戻ると、西へ歩いて行ったとみられています。ただ、この先にある防犯カメラに姿はなく、足取りは分からなくなっていました。

警察によると、父親の修容疑者は、瑠奈容疑者を現場付近まで車で送り、事件後、迎えにいった可能性があるといいます。

近所の人は、瑠奈容疑者の姿を小学生の時から、ほとんど見なかったといいます。

近隣住民:「娘さんは2年間くらい見ていないの。だから一緒に住んでいないと思う。小学校に来て、学校変わったから大丈夫かなと思っても不登校で。中学校も行けなくて。高校も、たぶん制服ぐらいは買ったかもしれないけど」

瑠奈容疑者と殺害された男性は知人だとみられています。ただ、2人がどこで知り合ったかなど、詳しいことは分かっていません。

■なぜ同じ容疑?

元埼玉県警捜査一課の刑事で、退官後は様々な事件を取材している、佐々木成三さんに聞きます。

(Q.なぜこのタイミングでの逮捕になったとみていますか)

佐々木さん:「警察は早い段階で、瑠奈容疑者を特定していたかもしれません。防犯カメラの捜査で、車が利用されたことが分かった段階で、共犯者がいるかもしれないと。共犯事件の捜査は、一緒に逮捕することが基本です。この事件のポイントは証拠品の押収です。被害者の頭部や、所持品もまだ見つかっていません。瑠奈容疑者を先に逮捕しても、修容疑者が証拠隠滅をする恐れがあります。2人の容疑が固まったので、逮捕に踏み切ったのだと思います」

(Q.2人ともに『死体損壊・死体領得・死体遺棄』の容疑がかかっています。修容疑者は、ホテルに入っていない可能性が高いとされるなか、なぜ同じ容疑になっているのでしょうか)

佐々木さん:「共謀共同正犯、つまり共犯で逮捕されています。共犯に必要なのは、2人で共に犯行を実行する意思です。2人で共謀して実行した段階で、現場に1人がいなくても、もう1人が実行すれば共謀共同正犯になります。例えば、フィリピンにいる指示役が、実行役に指示をして、特殊詐欺・強盗を行っていた“ルフィ”の強盗事件では、指示役も共犯で逮捕されました。修容疑者も犯行を実行することを認識したうえで、瑠奈容疑者と話して、瑠奈容疑者が実行したのであれば、共犯になります。警察は、車の送迎のほか、携帯での会話など地道に積み上げて、総合的に立証したのだと思います」

(Q.事前に2人が話し合いをしていなくても、例えば現場にいた瑠奈容疑者に修容疑者が電話で指示などをしていたら、共犯になりますか)

佐々木さん:「事件の前に相談をしていなくても成立します。例えば、瑠奈容疑者が、被害者を殺害した後に、死体の処分について、その場で修容疑者に相談して、死体を処理したのであれば、共謀共同正犯になります。ただ、私は事前に相談していた可能性が高いとみています。なぜなら、頭部の切断には大きな刃物が必要で、女性1人で容易に切断することはできないと思います。ホテルに行く前に2人で話し合ったうえで、犯行を実行した証拠が多く見つかったのではないでしょうか」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事