【報ステ】「2大政党に問題解決する能力ない」“異色候補”若者が支持 台湾総統選(2023年7月25日)
台湾では、来年1月に総統選挙が行われます。
台湾の政治は、大きく分けると中国との関係を重視する国民党。そして、アメリカとの距離が近い現与党・民進党による2大政党制が続いてきました。
総統選までまだ半年ありますが、台湾メディアは、連日、選挙のニュースを報じています。
総統選ではスタート早々、波乱が起きています。一部の世論調査では、結党わずか4年の新党の党首・柯文哲氏が支持率トップになるなどしているからです。
南部の港湾都市・高雄は、台湾人としてのアイデンティティが強い土地です。
最近、設置された柯文哲氏の看板が見えてきました。『理性』『科学』『実務』。元外科医で教授だった柯文哲氏らしいスローガンです。
柯文哲氏の支持者集会に行ってみました。目立ったのは20代~30代の人たちでした。
医師だった柯文哲氏が脚光を浴びたのは、2014年、学生たちが議会を占拠したひまわり学生運動のときです。その勢いで、2014年11月、台北市長に当選。型破りな政治家として、存在感を示してきました。
選挙スタッフも若者を積極的に登用し、SNSでの戦略も文句を言わずに従うなど、頭の柔らかい側面がうけ、人気を集めてきました。インスタグラムの登録者数は、ほかの候補者の10倍です。
台湾の選挙で、20代・30代は、軽視できません。彼らの投票率は70%を超えていて、勝敗を握るカギになるからです。
支持者者:「国民党にも民進党にもうんざりです。スローガンを叫ぶだけで、必要なことをやってくれません。少なくとも柯文哲さんは、実践的で理性的、科学的に仕事をする人だと私たちはわかっています」
選挙スタッフ:「(Q.国民党や民進党に足りないことは)どちらも歴史は長いけど、台湾の人たちのために働いていません。若者が私たちを支持するのは、変化を求めているから。台湾も変化を求めている」
柯文哲ムーブメントを作り出しているのは、若者たちといっても過言ではありません。
では、中国とは、どう向き合うのでしょうか。柯文哲氏に聞きました。
(Q.あなたの周りで若い人の波ができている。どうして波が起きたのか。あなたは波の中心にいるのか)
民衆党・柯文哲主席:「国民党と民進党は、30年間、交代で政権を握り、イデオロギーも異なり、問題解決の能力はありませんでした。無意味なことばかり2党がするなら“自分たちを代表する新たな政治勢力を”そんな動きが出てきたのです。一番大事なのは、価値です。政治面での誠実さ、理性、実務的、科学的を重んじる。短期の利益のために長期の利益を犠牲にしない」
(Q.あなたが目指している中国と台湾の関係は)
民衆党・柯文哲主席:「台湾の対大陸政策は2語で言い表せます。『deterrence』=抑止と、『communication』=意思疎通です。
(Q.抑止と対話のバランスをうまく取っていく自信は)
民衆党・柯文哲主席:「ロシアとウクライナの戦争は、大きなヒントをくれました。戦争のリスクを低下させることが大事だと思います。十分な防御能力がなければ、話し合っても、中国に相手にされません」
(Q.総統になったら、習近平国家主席と個人的な信頼関係をつくる考えは)
民衆党・柯文哲主席:「意思疎通は、必ず行うべきで、まずは争いのない分野です。スポーツ、文化、医学など、争いのない分野を先に話し合って、“争いの分野”を後で処理すべきです。よい循環を用いて、今の衝突を解決すべきです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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